第3話 感染3日目
幸太郎は朝いつも通り目を覚ました。時刻は7時ちょうど。彼は昨日一昨日とも何の症状もなく生活していた。感染しなかったのである。たまたま風邪で寝込んでいたのでこの二日間世間で何が起こっていたのかも知らない。今朝になり体調も戻ったようだった。水でも飲もうと一階のリビングに向かう階段を降りていく。
リビングのドアを開けると向かい合わせに座る形で父と母が席に着いていた。
「幸太郎?」
母は毎朝のおはようの代わりに不安そうに名前を呼ぶ。
「おはよう母さん。父さんも一緒だけど、どうしたの?」
幸太郎の父はいつもこの時間には家を出ている。二人が一緒にいること、重たい雰囲気、母の不安そうな声色で幸太郎には二人の間にただならぬことが起こったんだということはわかっている。これから二人が打ち明ける話を自分は受け入れることができるのだろうかと思った。気持ちを落ち着かせようとしたその時
「父さんと母さん、目が見えなくなったの。それに耳もおかしくなったの」
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