とってもお洒落で、優しくて。
ドキドキしながら読みました。
もうすぐ29歳の誕生日を迎えるヒロイン園美の心の揺れを感じます。
年齢を重ね恋に少し臆病になってしまう気持ち。友達の結婚などもまた、園美の気持ちを少しざわつかせてしまう。
そんな園美が巡り合った新たな出会い。
トラットリアの雰囲気と美味しそうな料理もまた魅力的です。
すっかり物語に浸って、園美に感情移入しちゃってました。
大人で素敵なラブストーリーを、ぜひご一読下さい。

暑い夏の日には、鮮烈なトマトの赤にバジルの緑、ガーリックの効いた冷製パスタを召し上がれ。過ぎ去った春を嘆くより、今の季節を楽しみましょう。
ジューシーな白桃の甘みと、炭酸で割ったアイスティーの爽やかさ。

臆病な方も、迷っているならまずはこの扉を開いてみられてはいかがでしょうか。
素敵な出会いが待っているかもしれません。

この物語の大きな魅力は、29歳という年齢を前にした女性のリアルな心理描写と、何処かで見かける女性達の何気ない風景だと思いました。

同年代の女性も、もっと歳を重ねてしまった女性も《ああ、これわかるなぁ》って共感しながら、物語に入り込んでいけるのではないでしょうか。


そして、夏に美味しいメニューと一緒に訪れる出会い。主人公園美が失くしてしまった、あるものをきっかけに流れていく想いのドラマ……この短編では描かれていない、園美の未来がどうなっていくのか。
物語を読み終えたあと、誰もが園美の幸せを願わずにはいられないかもしれません。