第2話 データ ① 武道家黒澤明
幼少の頃「うすらぼんやり」して、イジメられやすいタイプであった黒澤明は、小学校で剣道を始めることで「戦う」という人間の本性に目覚めた。
剣道の戦いとは、一対一の殺し合いともいうべき真剣勝負。いくら防具を着用しているとはいえ、打たれれば痛い、リアリティ(超現実)の世界。コンマ一秒の差で生死が決まる真剣勝負の世界では、心で斬ると思った瞬間、全く同時に身体が動いていなければならない。
黒澤は、剣道で体験する痛みや苦しさを通じ、戦う精神と、心と身体を的確にコン
トロールする力を身につけたのである。
もし黒澤が剣道という武道に出会わなければ、宗教や知識という殻で身を守るしかない弱い人間のまま中学・高校生になり、イジメにあっても乗り越えることができなかったであろう。
黒澤明とは、武道で飯を食うということではなく、武道で鍛えた「真実を見る力」
によって、本当の自分を生きることができた人間なのである。
黒澤 明
黒澤 明(くろさわ あきら 1910年3月23日 - 1998年9月6日)
アニメの宮崎駿は別として、世界で最も有名な日本人の映画監督。日本人 = サムライという、強烈なイメージを世界に植えつけた功績は大きい。
代表作品として「羅生門」「生きる」「七人の侍」「用心棒」「蜘蛛巣城」「天国と地獄」「影武者」などがある。生涯で30本の映画を監督( & 脚本)した。
1950年製作の『羅生門』がヴェネチア国際映画祭で最高栄誉の金獅子賞、第24回アカデミー賞特別賞(最優秀外国語映画賞)を受賞。そのほか世界的な賞を数多く受賞・ノミネートされた。米国映画芸術科学アカデミー会員。
1985年 文化勲章受賞
1998年(平成10)国民栄誉賞
1999年 英国の雑誌 Timeで「20世紀で最も影響力のあったアジアの20人」に選ばれた。
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