第9話
プロ野球界でも ポスシスティングシステムでの導入で メージャー入りを阻止する球団があった
そのチームの名前は IFM横浜フリューゲルス
選手の名は 入団7年目の高橋伸也だ
今年のシーズンも20勝を掲げ 奪三振や防御率もセリーグトップだった
投手に贈られる 沢村賞も受賞した 日本一のMVPプレーヤーでもある
今年の日本一にも貢献した高橋伸也に球団が打診した
ストーブリーグの最大の話題に スポーツ関係者やマスコミが騒ぎたてる
球団オーナーも含め フロント側との交渉に白紙の小切手を高橋伸也に手渡したのだ
このニュースが社会的問題にもなり 伸也のまわりには いつもマスコミが集った
伸也は 独身だ スキャンダルもない
まさに国民に愛されるべくアイドルでもあった
だが伸也には 憧れの女性がいた
芸能界を代表する 女優の五十嵐美麗だ
だが運命は怖い
何と二人に愛が芽生えたのである
今シーズンオフの後援会主催のパーティーで二人は出逢ったのだ
伸也の後援会パーティーの席で美麗が招待されたのがきっかけだった
美麗にも 心に傷のある失恋がある
今 海外で活躍する国際的な映画スーターの浅野光一だった
マスコミの怖さを美麗は 恐ろしいほど体験したのだ
いっそのこと この芸能界から足を洗いたいと決心するまで 気持ちは高ぶっていた
芸能界にいる美麗には 高橋伸也の功績すら興味がなかった
しかし 伸也は美麗に憧れていた
伸也は 美麗を見つけると 挨拶を交わした
「美麗さん 昔から僕 大ファンでした 彼氏とかいますか? いきなりで失礼だったかな」
伸也のその問いかけに 美麗の心が揺れ動いたのだ
『いませんよ 高橋さんこそ彼女いないのかしら?』
「今 彼女になって欲しい人が 目の前の美麗さんです」
いつも直球で勝負する男らしい愛の告白に 二人の距離はすぐ縮まった
伸也の猛烈なアタックで 美麗は 失いかけていた女心を取り戻したのだ
でも 二人が逢うのは 厳しかった
いつもマスコミが二人の周囲に集る
そんな環境の中でも 二人は愛を信じあった
伸也は中学校時代から ずっと五十嵐美麗だけを見ていたのだった
その熱い情熱が 野球で有名になることだと思っていた
やがて美麗は 伸也に心を許し交際が始まったのだ
まるで二人のデートは 密会の如く 誰にも分からない様に注意した
伸也は 美麗を彼女にし アメリカメジャーに行くことを諦めたのだ
ーーー つづく ーーー
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