第10話 血刀と復習
新スキル、
火魔法のレベルがあがり、火の玉の出力が倍になった俺は、8cm程の火の玉を四方に浮かべ、血液制御を色々試している。
体内にある血は、体外に出すことは出来るが、戻すことは出来なかった。
変形は自由自在だったので、武器を作ってみる。血は1L程しかないので、あまり大きなものは作れそうにない。
「細身の剣ぐらいなら行けるか? 細身ならレイピアか刀だよな……」
試しに刀を作ってみた俺は、近くにある岩に軽く切り込んでみた。
『スパッ!……ドンッ』
強度を確かめるつもりだったのに切断してしまった……
「なんだよこれ……殆ど抵抗なく切れたぞ……」
たしかに、魔剣に使われててもおかしくない素材だ。1人納得した俺は、刀を液状に戻さずキーチェーンの様にズボンに引っ掛けることにした
「血のチェーンだから、ブラッドチェーンだな」
アイテムボックスに収納しない理由は単にこっちの方が『カッコイイ』からだ!邪魔にもならないしな!
「よしっ!行くか!」
俺は気合を入れて、出口を目指し始めた。
途中現れた魔物を『血刀』で一刀両断した。
ちなみに出てきた魔物はこんな感じだ。
----------
【ファングウルフ】Lv.18 / Dランク
狼の魔物。牙が大きく、動きが早い。
3〜5匹の群れで行動している。
ブラッドウルフと違い、こいつらは
【スキル】身体強化Lv.4
【捕捉】肉は獣臭が強い。
【ポイズンリザード】Lv.22 / Dランク
体調3m程のトカゲ。
猛毒を持っていて、噛まれると感染する。
動きが遅い。
【スキル】毒耐性Lv.3
【捕捉】皮膚に毒がある。しっぽがプルプル食感。
---------
初めて、耐性スキルを見つけた。
ブラッドウルフは全く見かけなかった。流石は
あのでかい熊もまだ、見かけない。いきなり後ろに居られると怖いので、時々振り返るようにしている……完全にトラウマだ。
時間感覚が狂っていて定かではないが、3日間ほど歩き続けた。
かなり深くまで落ちてしまったようで、まだ外に出ない。
『異世界に来てからほとんど迷子な気がするな……!』
そんなことを考えていると後ろから殺気を感じた。俺は、前に回避しながら後ろを確認する。
そこには
『また音もなく後ろに現れたな……こいつはなんなんだ?』
俺は、ブラッドチェーンを血刀に変形させて構えながら、鑑定してみると……
---------
【シャドウベアー】Lv.32 / Cランク
【スキル】闇魔法:Lv.4 / 身体強化:Lv.3
【捕捉】筋肉質だが、柔らかい肉。スジが少し多い。
今までの魔物の中では、1番レベルが高い。
マップに表示されないことや、真後ろに音もなく現れたりするのは、闇魔法が原因なのかもしれない。
『グオォアァァァ』
俺が考察していると、痺れを切らしたのか咆哮を上げた。前回の様に大気が震えるが、恐怖を感じない。
殺されかけた魔物だが、目の前にして格下にすら思えた。俺は冷静に距離を詰め、一気に首を刎ねた。
「こんなものか……」
ここに来るまで腹が減る度にファングウルフの肉を食べていたため身体強化がかなり上がっている。
獣臭がきつかったので、調味料であるエレメンタルも全種混合だ。そのおかげで獣臭もマシになって、食べやすくなった。
ちなみに今のステータスは……
----------
【名前/性別】ジン/男
【年齢/レベル】17歳 / Lv.27
【スキル】料理:Lv.5 / 剣術:Lv.2 / 槍術:Lv.1 / 火魔法:Lv.3<0.2> / 水魔法:Lv.2<1.6> / 風魔法:Lv.3<0.0> / 土魔法:Lv.2<1.4> / 身体強化:Lv.4<0.2> / 毒耐性:Lv.1<0.2>
【ユニーク(隠蔽)】転移者 / 鑑定 /
-----------
ステータスを確認しながら色々食べて
例えばLv.1のスキルだと付与する時に+0.1になる
そして、スキルのレベルアップだが、Lv.1からLv.2に上げるには、レベル横の数字が1.0になればよかったが、Lv.2からLv.3に上がるには、2.0まであげる必要があった。つまり、レベルが上がるにつれて必要になるポイントが増えるという事だ
それと、付与される基準は俺が空腹かどうかだ。腹が減ってない状態で食事をしても意味がなく、空腹時であれば少しでも材料が含まれていれば付与の対象になった。
シャドウベアーをアイテムボックスに収納して、しばらく歩くと見たことがある場所に出た。
奈落に落ちる前に、選択を間違えた分かれ道だ。
「ここで間違えてなきゃ街でゆっくりしてたんだろうな……まぁ、もう終わったことだけど……」
そう言って、今度は正解の道を歩いて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます