第20話

20話

<div name>伝わるもの</div>


子供の頃から星空を見るのが好きだった

なんでもないどこにでもいる子供


都会の空では星なんてそんなに見えないが

遠くに見える星を見、空を見上げていると

星が人間の命なんかに見えたりして


1つ1つが遠く離れていて、それでも光り続けてるのは誰かに見つけて欲しいから

私はここだよ!って声の限り叫んでるようにも見えたりした


そんなことを思っている自分もまた1つの命なんだなって


つまり星なんてものは私と同じなんだ!とか思ったりして一人笑っていたこともある


なんとなくそう感じたんだ

難しいことはわからないけどもね



その日はそんなことを考えながらベッドで夢を見た


その夢の内容は今でも覚えている


そう、私は(覚えてる)


夢の中で私は誰かになっている

自由に身動きは出来ない

ただ意識だけはしっかりとある


夢の中の私は手のひらに乗るような球体を持っていて

そして雲の上から世界を見渡している


そして(彼女)の中にいる私に語りかけてくるんだ


何を言ってるのか聞き取れないが

(彼女)は語り終わると涙を流し

世界は白に包まれていき


夢が覚める



夜中に目を覚まして

また窓から見える星空を見ている


時々ね

わからなくなる時がある


何にもわからなくなる時


人と話してても

一人でいても

時々

何もわからなくなって

知らないうちに何か話していたりする


ぼーっとしているうちに話しきっている感じ


そのぼーっとしている事は、普段のぼーっとしていることとは違うくて


なんだろう。。


やっぱりぼーっとしてるのかな。。



ともかくまぁそんなことがあったんだ



今はほとんど琴木家にいる毎日


でもまぁ隣だし昔からだから同じようなものだけどね


レキミちゃんの事件以来、皆が皆、逸の持つ遺産の力を使えるようにと各方面で調べていた


自分も手伝えそうなことは手伝っていたがそのほとんどは家事炊事やら掃除やら


普段と変わらない、ただ居候が増えただけの日々


それでもずっと逸と二人で居て、レウスちゃんもたまにいたりして3人で過ごしていたから大人数になって少し嬉しいのか寂しいのか。。



ただ、いまはレキミちゃんがいなくなって皆、我慢しているように思える


無理して頑張ろうとしているように。。


早く見つかるといいなってそう思うけど、自分に何ができるのか不安にもなる


もし、昔見たあの夢の中の(彼女)が逸の持つ遺産を持てばなんでも教えてくれるだろうか?



そんなことを考えたりするが夢の中の話しなのでどうにも出来ない


でも。。あれれ。。?

なんかひっかかるんだ。。


皆が勘違いしてる?


うまく言えないけど


なんかおかしい


リビングでポテツィ食べながら首をかしげる


なんだろ。。前に逸が話してた遺産の前の使用者がいたとかなんとか。。


あれれ?


そうだ、

うんそうだ


そうだよ!



突然立ち上がり

はる「逸どこだ!」


レウス「。。。なんぞ?琴木氏なら自分の部屋に行ったよ」


持ってきたノートパソコンをいじりながらリウスが驚きながら教えてくれた


はる「行ってくるよ!」


レウス「。。お、おう。。」


逸の元へ駆けていくことにした



はる「いつむ!!!」


扉をあけ放ち名を呼ぶ


琴木「ちょっ。。。いまっ、。。!」


PCモニターを隠しながら画面をシャットダウンする琴木


はる「。。??」


琴木「。。入るときはノックぐらいしろよなぁ。。。」


当然である


はる「そんな場合じゃないよ!」

机がないのでなんか適当なものをドンッとしてみた


琴木「。。。!!!」


はる「皆勘違いしてるんだよ!おかしいの!」


琴木「。。。今のドンッでフィギュアが潰れたんだが。。。」


はる「そんなこと言ってる場合かーー!!!」


思い切りビンタした


琴木「。。。!!!!!!っっぅ!!!」


なぜ殴られたのかわからないような顔をする琴木


当然である



はる「ともかく話を聞いて!」


琴木「、はい、お願いします聞かせてください」


はる「遺産!遺産は一人一個なんだーって思ってたけどね、前の人が使えてたのになぜ逸が使えるの?」


琴木「。。いやわからんが不思議な力なんじゃないのか?」


はる「そーなんだけどね。。その。。」


うまく言えない


琴木「。。でもそうだよな、調べてもらったんだが、前の使用者もそんなに昔の人ではないみたいだし、、てっきり使用者が亡くなったりしたら誰かに受け継がれる感じなのかなぁと思っていたけど」


はる「そう!」


逸はいつもわかってくれる

しどろもどろになり意味もわからないことを言う自分の言葉を聞いてくれる


琴木「遺産を使える人間は複数いるってことなら前の使用者と僕の存在時間が被るのも納得行くか」


そうなのだ

1つの遺産が一人だとどこかで聞いたような気もするけど、


そんなことはない

1つの遺産を使える人間が何人かいる


誰がどう使えるのかわからないがそれだけわかっただけでも十分1つ前進だ


琴木「なるほどな。。ちょっと色々調べてみるわ、またなんかあったら教えてほしい、とりあえずコロコロして邪魔だからちょっとこれ預かってて」



逸から球体を放り投げられる


ぽふんと胸のあたりでキャッチする


はる「うん!じゃまたくるね!」


そういつつ幼馴染を残し部屋を出る

あの顔してるときは一人にしててほしいんだ

新しいゲームハマるときと同じ


はる「。。へへへ。。」


1つでも力なれたかなと少しだけ嬉しくなる


ニヤニヤしながら自分にあてがわれた部屋に向かう


客用の部屋だが今は海都が使っているのだが

何もないときは使わせてもらっている


海都はいないようなのでベッドに腰掛けて預かった球体を見つめてみた


はる「。。もっと何かわかればいいな、、、、神さまー私に何かをあたえたまえーー」


占い師がやるように願ってみる



と。。




何も考えれなくなった



自分の奥底で何か声が聞こえる


??「。。いて。。。お。。い。。。いて。。。」


遠くて聞こえない。。



手に持つ球体が響いていくっ。。。




??「オイ!」



目の前に見たことのあるような黒髪の少女がいた



はる「、、う、うぇぇぇぇぇぇ!!!」


なんか吐きそうになる



??「吐くな!」


頭をペシーンとやられる


えーと。。頭が追いつかない。。

なぜ見知らぬ??年下。。?の少女に頭ペシーンされてるのだろう


そもそもなぜ目の前に見知らぬ少女が。。

ここは海都と私の。。へ。。や?


知らないところにいた


はる「の、のぇぇぁぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


たまらず吐く


??「はくなっといっとろーが!」


頭ペシシーンとされる



はる「なんかいろんな事に追いつけなくなって。。」


??「。。ずっと、声かけていたんだけどね、やっとあのオーパーツを手にしてくれて助かったよ」


はる「オーパーツ。。?」


??「ああ、君たちが遺産と呼んでるアレのことだよ」


なんか逸がそんなことを言っていたのを思い出す


??「とりあえず、はるだったね、まず貴女の中に私がいることを理解してほしい」


はる「。。へ?。。」


意味がわからない


??「まぁ色々と話し出すと長くなるけど、、」


彼女が手を出すとそこに椅子が現れ

その椅子に彼女は腰掛けた


??「。。全ては語れないけどね、君にはある程度話しておかなきゃいけないかな、まぁ座りなよ」


彼女が手を鳴らすと椅子がもう1つ現れる


とりあえず腰掛けてみた

意外とふかふかだ


??「私の名は清香、八木清香という」










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る