第11話

11話

<div name>目的</div>


はるの一言で空気が変わった部屋の中


泉「そう、悲観してもしかたありません、相手は強大すぎますが、相手を壊滅させるわけではなく、あなた方が生きて、今まで通りの生活を送れればそれが勝ちだと思ってください

今あなた方は組織にはまだ遺産の使用者だと認識はされていないのだから可能性はあります」


そう、まだ組織は自分の遺産を確認できていない

海都が狙われて、消したと思っているはずだ



自分たちにとって勝利とは

海都が、自分たちが今までと変わりなく過ごせること

いつも通りの日常に戻れること


それだけでいいのだ


八木「一つ思うんだけど、遺産を破壊するというのはダメなのか?」


大胆発言をする八木さん


八木「海都君が狙われるのもそもそも今手元にある遺産のせいなんだろう?組織がなんらかの方法でこの遺産に検討つけて、それの使用しそうな有名な人間を片っ端から掃除しているんだろう?

ならば、遺産自体破壊してしまえば、それのかかわりのありそうな人は狙われないんじゃないのか?」


レミキ「SOREDA!」


泉「破壊できないのです、、遺産の製造された工程はわかりませんが、私と先生もその考えに至り試したことはありますが、その球体は何をしても破壊できません」


レミキに渡してみる


レミキ「makasero!」


力をいれ握るレミキ


しかしなぜカタコトなんだこいつ、、、、


琴木「、、無理か、、、、」


現状の最高戦力を投入したが無理でした



泉「そう、破壊は我々の持つ手段ではできません、水没させても、熱を加えても何も変わりません、、

現状で可能性のあることは、遺産の能力でしょうか」


琴木「能力、、ですか?」


泉「はい、数々の遺産にはそれぞ俺の能力があることを確認しています、そして、先人たちはこの遺産を残してきました、なぜ先人たちはこの遺産をのこしてきたのか?そこに我々の進むべき道があるはずです」


八木「遺産を残した人たちの想いというか、、意味は貴方達はつかんでいないのですか?」


泉「、、少しはなしがそれていましたね、太古より(星食い)達と生を求めた人間との戦いの際に、人間は、

この螺旋を終わらせたかったと言葉を残していました、星を破壊し、移り住み、また破壊する、そんな生活に嫌気がさしたのでしょうかね、、

負の螺旋を終わらせるためにこの数々の遺産は人の手を渡り、伝えられてきたのです」


世界の始まりは、男と女が箱舟に運ばれ禁断の果実を食したと聞く

しかし、箱舟に運ばれる前は?


ふとそんなことを考えていた

伝えられ、教えられた事柄は本当なのかもしれないが、

それがすべてではない


泉「倭窟と私は遺産を研究し、この遺産は、意思の塊とでも言いましょうか、、、記憶容量を積んだコンピューターのようなものだと知りました、昔に遺産を起動できる人間に協力してもらい、この事実をしったのです、遺産の持つ情報が今の貴方達の救いの道なのだと思います」


琴木「バッテリーというか、、魂ですかね、?それはその昔の人はどうしていたのですか?」


泉「魂に関して、遺産を持つ人間の周囲の人間から吸収しバッテリーに変えると聞いています」


琴木「具体的に周囲の人間の何をどういう風に吸収するんですか?」


泉「徳のようなものらしいです、遺産の所有者がどんな行動をしたのか、それらが力に変わるらしいです、魂と聞き命が吸収されるのかと思いがちですがそうではなく、生きて行動したことが遺産の中で計測され、ポイントのようなものになるイメージですね」


なかなか難しいものであるが、、、


琴木「つまり、、僕が良いことしたら5ポイントゲットみたいな感じで、悪いことしたら5ポイントマイナスみたいな感じですか?」



泉「良いことしたら白ポイント5、悪いことしたら黒ポイント5、ですかね」


少し笑いながら泉さんは言う


泉「使用者の人生に関わりのある自分と周り全ての人のポイントがバッテリーに変換されるイメージですね

そして人間が死んだ後に一つの杯、聖杯に還り溜まり、黒に染まれば崩壊に導かれる、ずっとそれを繰り返してきたということです」


聖杯が白に染まればどうなるのか、、

先人達はそこに到達したかったのかな


泉「バッテリーは一気にたまらずに徐々に溜まっていくともきいています、今琴木さんの持つ遺産のバッテリーも少しづつ溜まってきているのではないでしょうか」


琴木「そういえば起動するタイミングが早くなってきている気もしますね」



しかしだ、、色々難しい話ばかりで疲れてきた、、、、


レミキ「、、、、どうでもいいけど俺もうつかれてきたぞこときぃ、、」



いきなりぶっちゃけるレミキ


八木「まぁ確かに、、一度解散するほうがいいかもしれないね、結構時間も過ぎたし」


外を見ればもう暗くなってきている


泉「そうですね、私も丁度町へ降りようとしていたので、一度お開きにしましょうか、続きはまたあらためてもいいですし」


疲れてきた一同は全員頷いた


そうして一同車に戻り、町へ戻ることにした

泉さんは町の自宅へ戻ると言うことで

2台の車が町へ向かう



道中、来る時と変わらず賑やかな車内に八木さんが微笑みを浮かべていたが


表情が変わり

八木「琴木君、、車が一台ついてきてる、、」


バックミラーを見て八木さんが言う


車内の空気が緊張に走る


前方に泉さんの車、


結構後ろからハイビームが飛んでくる


八木「さっきの交差点からずっとついてきてる、、なんか嫌な感じがする車が、、」


嫌な予感、、その表現は不確かでもあるが、、、


ハイビームが少し下がり、視界に入ったその車は、、普通の車と形状は変わらない

変わらないが、その姿を見た瞬間に



死を感じた




海都「はる、、しっかりつかまって、、」


異常を感じたのか海都の表情が固まる



レウス「、、、琴木殿、、、、」


震えるレウス


レミキ「、、、、」


後方の死の匂いを撒き散らす車を睨みつけるレミキ


町まではまだすこしかかるが


八木「泉さんに電話はできるかい?」


と八木さんがいった瞬間、泉さんから電話がかかってきた


泉「、、琴木くん?後ろの車気付いてる?」


琴木「はい、、すごく嫌な雰囲気がします、、」


泉「きっと組織だとおもうけど、、あの車どこかで見た覚えがあるの、、、」


八木「車内スピーカーに切り替えてくれ」


電話機を車内スピーカーに切り替える


八木「ともかく、町まで速度を上げて突っ込もう、この状況は危険すぎる」


泉「そうね、、幸いこの道ほとんど人も来ることないから飛ばせるわ、町に入り人が多くなれば手荒いことはできないはず」


八木「繁華街の手前で降り合流しようか、電話は繋げたまんまで」


泉「わかったわ」


話が進む間、後ろの車をみていたが

黒い車、運転手のみの一人がのっているのか

速度を詰めるわけでもなく、何が目的なのか

ただの思い過ごしで一般人とかだったらいいが、、、とか考えていたら


遺産が起動した




(アレハ遺産、、、、数々の遺産と使用者の命を食らってきた組織の遺産、ソウルイーター(魂を喰らいし者))



琴木「あれは、組織の遺産だ」


遺産からの声が聞こえた瞬間自身の声に出ていた


八木「、、遺産の力かい?」


琴木「はい、今聞こえました、数々の遺産と、使用者の命を食らった者、ソウルイーターだと」


泉「、、、思い、、、出した、、、」


泉さんが絞り出すように声をだす


泉「倭窟が消えたあの日に、、あの場所に確かに見たわあの車を、、」


頭の中に再度声が響く


(あの車自体が遺産、あの遺産の能力は、車内で所有者の意思を必ず(決定)させる)


突然ガンガン起動する遺産


だが、、、なんだそれ


決定するって、、


琴木「、、また遺産の声です、あの車自体が遺産で、能力は、車内での使用者の意思を必ず決定する、、らしいです」


八木「なんだそれ、、」


驚愕する八木


レウス「チートすぎませんかそれ、、」


泉「車自体が遺産って、、破壊することも不可能なの、、?」


八木「、、しかし、、車外であればただの車みたいだな、、」


せめてもの救いか、、、


2台の車が走り、1台の車が追う姿の現状、



走るしかない、、と一同が納得したその瞬間

レミキが動いた



レミキ「レウス!俺から離れろ!かならず近ずくなよ!」

となりに座るレウスに言い放ち自分側のドアを開けはなつ


琴木「ちょっっ!!」


開けたドアから上半身を出し猛スピードで走る車道の石を掴み


後ろの車に向け投げ放つ


顔の半分ほどの石が隕石のように後方の車に向けて飛んでいく


ば、、、、馬鹿かこいつ、、、、


レミキ「八木さん!石をこっちに誘導してくれ!」


八木「わかった!」


臨機応変に柔軟に対応する八木さん


まさかのこちらからの一方的な攻撃が始まった



蛇行運転する車両からどんどん飛来する顔ほどのある石


死の匂い撒き散らす車両への勇気ある攻撃だった


レミキ「、、、琴木とはるは!俺がまもるんだぁぁぁぁ!」


そう叫び無茶な攻撃を繰り返すレミキ




昔に、、、レミキは確かにそう言っていたのを琴木は思い出した








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