第3話

3話


<div class> 暦尾 尊という男</div>


単純で尖るほど強い

一振りの日本刀の様な


物質に言い換えるとそうだが、人間に言い換えると単純

つまり単純という言葉を人に当てはめると卑下する様に聞こえるが

単純を突き詰めれば最強になるんだと

彼を見て思う、、、、、こともある



午前中の授業が終わり

待望のお昼休憩になり

購買で何か買おうかと席を立った


教室を出ると突然大きな何かが襲ってきた


???「こときぃー!」


琴木「!うわっ、、、!」


反射的に手を突き出すと


???「んのわっwfふいcじ」


言葉にならない言葉をあげ謎の物体は崩れ去った

見事に急所に直撃した様だ


琴木「レキミかぁ、、、びっくりするだろ」

そう言い放ち購買へ向かう


レキミ「、、、、、」


後には沈黙した一人の男がそこに合った




購買部は戦場になっていた

琴木「ほんとこれ苦手だなぁ、、、」


今からこの中に突っ込んでいかないといけないと思うと帰りたくなる

残り物には福があるというが

この場合は福はないと言える

はるの弁当でも分けてもらった方がいいかもしれないなぁと思っていた時


???「ことぉきぃぃ昼飯くおうぜーーー!」

大きな物体は焼きそばパンを両手に走ってくる

さながら戦国武将の様だ


その途中学生集団が横切ろうとして接触事故をおこす

レキミ「hふいえwjんvじ」


大量の学生には抵抗できなかったのか焼きそばパンを放り投げ崩れるレキミ


飛ばされたパンをキャッチし


琴木「ありがとう、君の魂は無駄にはしないっ、、、」


その場を去った





午後の授業がはじまり退屈にしていると

窓の向こうの廊下でなにか影が見えた


大きいさながらクジラのような影が窓から覗く


レミキ「おれはここだぁぁぁぁぁ!!!」


自己主張がはげしいやつだなぁ、、、

遠い目で見つめていると先生たちが集まってきてそのまま連行されていく


琴木「かなし〜い瞳でみていーるよー」


悲しい羊の歌を口ずさみ午後は過ぎて行った




はる「いつむーレキちゃんはどうしたの?」


琴木「なんかずっとつきまとわれてるんだけどよくわからん」


はる「仲良しだもんね♪」


琴木「うーん、、、」


仲は悪くはない、腐れ縁というか、、


レミキは小学生からの友達だ

体が大きく、スポーツバカでいつも筋トレしている筋肉万能主義者


自分はpcいじりが好きな隠キャで、

相反しているが意外と苦痛にならないのは不思議である

いつも頼んでもいないのに体をはる作業を率先してくれる

いつも意味のわからない事を繰り広げ

周りを笑わせる

そんなバカだ


午後はクラブ活動の応援とかしてそうだが

まぁどこかでまた会うだろう


そう思い帰路に着く

はる「いつむーいっしょにかえろー♪」


琴木「嫌だ」


そう言い残し走り去る


今日はイベント配信日で18時からギルドの猛者たちが集うのだ

琴木「いざ戦場へ!仲間たちとともに!」


指揮を高め解き放つ自室のドア




レミキ「こときぃぃ!」

はる「おかえりーー!」

抱きついてくるレミキ

琴木「ギャーーーー!!!」


悪夢っっ!

まさに悪夢っっっ!!!!


琴木「なんでいるんだよ!」


レミキ「鍵なんて壊せばいいさ☆」

はる「いいさー☆」


我が家の鍵は壊されたのか、、、、


こいつらには物質の法則は通用しないのか、、、、


琴木「まぁ、、用事あるからさ、、そのなんだ、、、出て行けお前ら」


ストレートに思いを伝えた


はる「いいじゃんー!皆でげーむしよーーー!」


コントローラーを持ち上げるはる


レミキ「俺もやるぜーーー!」


琴木「、、、、、」



賑やかにプレイし出したので端でPC立ち上げ

猛者たちに会いに行く



レミキとはそんな男である、、、、






<div name>海都琴音</div>


スマホをいじる

この作業は日常化したのだが

どうにもめんどくさい


ずっとreinのトークルームは鳴り続ける

はる「めんどくさいいぃいぃぃぃぃぃ。。」

心底めんどくさくなったので通知切ってポイッターを見る


はる「とことまたコスしたんだ」


画面の向こうでは親友の海都琴音(とこと)のコスプレ写真が回っていた

ゲームの妖精騎士のコスをしたみたいで

結構人気あるみたいだった


はる「かっこいいーーー!」


なんかテンション上がってreinしてみる


すぐに返信返ってくる


はる(またコスしたんだ!かっこいい!)

海都(見てくれたんだなありがとう、結構気に入ってるんだ今回の)


他愛のないやりとりを楽しみつつ


そのまま寝た




なんの変哲もない親友とのやりとり

また明日も学校で友達と話し

仕方のない幼馴染をからかい

そんな日がとても大好きだ


海都琴音

現役コスプレイヤーで女子高生ということもあり結構?かなりの人気レイヤーである

学校ではツンとしたロングヘアーの綺麗なかっこいい系女子

自分と話す時は柔らかい印象なのだが

他の人と話す時はツンとしている

男子からはひっきりなしに声かけられるがいつも冷たく断っているらしい

女の子からも人気がありよく集団に囲まれたりしているが

本人は困っている様でいつも照れ臭そうにしているのがとても可愛い


ツンデレという言葉はあるが

ツンな人は確実にデレになるんではないかとそう思う



次の日学校の下校中にとことと一緒に帰っていると

見るからに怪しい人がいた


ハットを深く被り顔は見えない

細い長身の男、、?

夏なのに黒のコートなんか羽織っている


海都「はる下がって、、」

とことの後ろに隠れる

無言で近づく男

??「、、、ない、、、」


もうね



真夏のホラーだよ本当


正直普通に怖い


海都「近づかないでもらえますか?」


??「、、、ない、、」


さらに近ずく人物


ボソッとあげる声は男のものだった


さらに一歩一歩近ずく人物


さらに一歩、また一歩、、と近づき

踏み込むスピードを上げた、、その瞬間に


海都「、、フッッッ!!!!」


低く獣のような素早さで沈み込んだ(影)が男を一撃で沈める


男は低い声を上げてそのまま動かなくなる


海都琴音


空手有段

中国拳法?も習ったらしく


かなりの実力者なのだ


はる「とことありがとう、、、怖かったぁ、、」


海都「とりあえず逃げようか、人が来ても面倒だし」


はる「うん、、」



そういいつつその場から離れるが


何かを探していた、、?


ない


という言葉が気になり、ここで拾った球体のことを思い出す




とことに家まで送ってもらい

自室に帰りお風呂に入ることにした


湯船に浸かり今日のことを考えていたが


男に襲われるというのは初めてで怖かった

今思い出しても少し震えそうになるが

暖かい湯船が恐怖を和らげてくれた


球体を探しているならば、、


はる「大丈夫かなアイツ、、」


そう呟き、となりの家にいる幼馴染のことを考える


着替えを済まし部屋で髪を乾かし

ベランダを見ると隣の家では机に向かう幼馴染の姿があった


本当ゲームばかりして、、もう、、

と少し可愛く思えた



はる「いつむーーーーー!!!」


気づかない


はる「いつむぅぅぅぅーーーーー!」


気づかない


近くにあった空き缶を投げつける


当たった


あ、すごい痛そう


うずくまる琴木


顔をあげ

琴木「なんだよ!いちいち物なげるなよ!」


普通に怒られた


はる「ごめぇん」

と笑う


はる「体大丈夫?元気?」


琴木「??嗚呼、、おかげさまでな」


なぜか照れる琴木


はる「そか♪じゃね!おやすみ!」


カーテンを閉めた


照れちゃってかーわいい


幼馴染の顔を思い浮かべて微笑む


こうして少し変なことあったけど、いつもと同じ、いつもの時間が流れる事を本当に祈る


寝ようとベッドに入るとスマホで着信がなる

ネット配信の通知が来ていた

とことが少し配信するみたいで

寝る前に少し見てやろうかとスマホを触る


チャットを打つと少しはにかむとことを見てまた癒される


反応が面白くて色々チャットを打っているうちに眠気に襲われ


寝た



スマホの画面はそのままで、配信は続く、、


他愛もない事を話しチャットに答えている(親友)

沢山の人が訪れまだ少しの時間、この賑やかさが続くと思われた


賑わう中で



配信は消えた



ノイズが走り

配信は終了しましたの文字だけがスマホに流れていた



日常は常識の塊で

誰が決めたかわからない常識は

決められた人にとって非常識である


常識は、日常は少しづつ音を刻み

変化していく、、誰にも気付かれないが

ただ一人だけ

はるは夢の中で刻む時計の針のような音が聞こえた気がした



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