第2話

2話

<div name>八木 隆文</div>


(恋愛は影踏みである)

誰かに聞いた事がある気がする

追えば逃げていき、逃げれば追ってくる

そういう事象の例えだろうが

(今)の状況は恋愛なのか?


ターゲットを追い隠れる

呼吸を抑え、心臓の音が聞こえてきて


行動を監視する


ここのところずっとそんな日常である

ターゲットが目標地点にたどり着いたとき

懐から(エモノ)を手に取る


薄暗くてよく見えないが狙いを定め




ボタンを押す


「お疲れ様です八木です、ターゲット目標に着きました、予想通りですね、証拠も抑えたので事務所戻るつもりですけど、どうしますか?」


「、、、、、」


「はいわかりました、ではもどります、失礼します」


報告して(エモノ)の携帯を手に取る

仕事では折りたたみの携帯なのでボタン、画面が非常に見にくい

前にいた消失した社員のおさがりらしく所々文字が霞んでいる

傷もあるし正直新品にしてほしいところである


そう、前の社員は(消失)した

仕事で使用していた携帯だけ残して

遺品となったものだが消失したヒントは何か残っているかと

調べるついでに使う事になったのだ

別に持たせてくれるとは言ってくれるのだが懐に携帯を2個も3個も持ちたくないので(これ)を使っている



帰り道は 電車である

経費削減というやつである

経費は依頼者持ちなのだが細かいところうるさいのだ


八木隆文 19歳 探偵の仕事をしている

中学をでて高校行かずに仕事を始めた

八木には一つ目的があり、それの情報を探していたときこの職場の前社員にお世話になっていたが突然消失した。



(目的)のための情報をつかみやすいのもあるし、前社員の行方を探すためにこの事務所に入り働いている


「次は秋葉原ー秋葉原ー」


車内アナウンスが流れ、電車を降りる

事務所までは駅から10分ぐらいである


秋葉原に降りるといつもセンチになる

アニメやゲームとはかけ離れた人生だったなぁと

短い人生なりに思うのだ


そうして事務所に着き、中にはいると

所長が待っていた

「お疲れ様です、八木戻りました」


「お疲れ様、どうだった?」


報告する


所長は一言で言うとジェントルマンである

年は40後半、白髪の似合うスーツ姿の体格の良い男性

どこかのお金持ちかと見えるがそうではなく

庶民的である

好きなものは塩ラーメンと焼き鳥

独身


色んな恋愛を経験したらしい(めんどいので聞き流していた)


「以上で浮気調査の報告を終わります」


「お疲れ様、この件は一旦依頼者に報告しておくよ、次の仕事まで少し間があるからゆっくりしなよ」


「ありがとうございます、では失礼します」


いい加減に眠気も限界だ

ここのところずっと張り込み、追跡であまり睡眠時間取れていなかったのだ


浮気調査の嫌なところは大概の証拠を抑える時は夜、深夜になる

調査員が何人もいれば交代もできるのだが、一人だと延々と張って捕まえるのが一番早かったりする


とりあえず帰って寝るが、事務所の二階が自分の部屋ですぐ帰れるのはいい事だ

自室にもどり、着替えべッドに潜り込みそのまま意識が飛ぶ、、、



翌朝、久々の休みなので雑貨の買い出しついでに街を歩く事にした

秋葉原から少し離れた浅草橋、少し歩けば秋葉原に着く、街灯モニターにはアニメみたいなものが流れ、観光客が練り歩き、メイドがいる

友達と連れ添い歩く子(自分もまだ19だが)達は楽しそうに笑っている

カップル?みたいなものもいる


世の中には楽しいが溢れているんだろう

とても世界は平和で、笑顔の絶えないものだ


表では、、、


裏では今日も何かが動き

それも含めて世界は軋むことなく動いている

それは日常で、とても普通なことで

その中で何を失い、何をなくしてもなかったかのように世界は動くことを八木は幼い頃に知ってしまった

何度噛み締めただろう、苦しんだだろう

見なくていいもの、見ないはずの物を見続けて

八木は一人で歩く事を決めた


なくしたものは戻らない

復讐なんて求めても何も残らない


それは分かっているが幼い八木はそうするしかなかった


どこまでいっても情報は見つからず

今に至る


見つけたものは前社員の消えたことと

安い賃金の職場


まだ(奴ら)には遠い。。



秋葉原を歩き八木は一息着こうと休憩場所を探そうとし

制服姿と陰気そうな少年とショートカットの女の子とすれ違う


「いつむーーーあれととってよ!あれ!」


女の子がクレーンゲームの景品をおねだりしているらしい


「うるさいなぁ。。ここから先は男のロマンの世界に行くんだから早く帰れよ。。」


「どこいくの?エロゲーってなに?」


「もうちょっと発言控えてくれよ。。頼むから。。」


男の子なゲームのことか、、

秋葉原は平和だ、、、


てか年大丈夫なのかあの子、18禁だろうに


八木がそんなことを思い二人が通り過ぎようとした時





(何か)が始まった




<div name>共鳴</div>


「残、う、、、来へ、、

、き、、れ、、必、い、か、

魂、、、、、化、、れ、、」



よく聞こえない


何かと何かが話してる?のか

何も見えず聞こえてくる(話し声)


よく聞こうと移動しようにもにも体が動かない

大切な何かな気がする


古い昔住んでいたもうなくなった家を思い出すような



動かせないまま意識が遠くなり、、




何かが動き

頭の中に膨大なデータが入り込んで行く


『対象、八木隆文のデータをインストールします』


脳内に聞こえる声


少し経つと風景が現れる

泣いてる少年

大きな屋敷の中で泣いている少年が見えた

朧げに

ところどころ音声?が途切れて(再生)される


少年の鳴き声と誰かの笑い声、、

誰かのシルエットと



『データ再生不可、容量が足りません、バッテリーを確かめてください』




意識が戻る


「いつむーーー!いつむってば!」


グリグリされている


つむじが痛い

ぐりぐりと


琴木「痛いです」


ぐりー「ほんと?おきた?」


???「起きたのか?大丈夫なのか?」


見たことのない男の人が心配そうに見ている


琴木「えと、、、」


今の情報を整理する


2日前にグリー(もうぐりーでいい、、、)が家に来て球体を見せてもらった

その時になんか光って今と同じ?ように意識が飛んだ


それからは球体をぐりーさんに譲ってもらい

なぜか持ち歩くようにしている


そして今日探していたゲーム(18禁)が入荷したとの情報を有志の疾風のダークナイト(ハンドルネーム)から得て、手に入れようと秋葉原へ繰り出したら

幼馴染ぐりー(はる)に捕まりつきまとわれているのだ

どこかの掲示板のマスコットのようなぬいぐるみに反応して

あれがほしいやら、あのアニメ見たいやらとにかく煩い

そしてどうにか巻こうと路地にはいり歩いていた時に



球体が突然に、肌で感じた訳ではないが確かに(動き)

何かが見えていまに至る


そして今目の前にいる(彼)は

琴木「八木隆文さん、、ですか」


八木とよばれた男「、、、なぜ僕の名前を、、?」


ぐりー「???」


どこまでいってもぐりーはぐりーである、、


琴木「なぜか分かりました、、なんでかはわからないんですけども」


八木「仕事上あまり名前知られないようにしているんだけどね、、

ちょっと詳しく話聞いてもいいかい?」


琴木「イヤです、僕には任務があるのでこういうフラグ回収しても仕方ないので」


はる(仕切りに頷く)


八木「??よくわからないが、その任務終わってからならいいかい?終わったら連絡くれたらいいから」


琴木「、、、まぁ、、それなら、、」


そういうと八木さんがメモを渡してきた

見れば電話番号とアドレスが書いている


八木「なんか気になってね、、探偵みたいな仕事をしていてね、話を聞いた方がいいとおもったんだ、用事終わったら連絡まってるから」


そういい残し八木は去っていく


はる「ナンパじゃーーーん!」


琴木「そのワードをいうなぁぁぁぁぁぁ!」


薄々感じていたことをぐりーは言う


たしかに八木には何かは感じたが、、

男に電話番号渡される展開は、、、



琴木「アッッッッッーーーーーー!!!」


謎の奇声を上げて気づき幼馴染の口を塞ぐ

はる「ーーーーーーー!!!!」


やっぱり、、同じ様に叫ぼうとしている、、


任務のためにもあまり目立ちたくないのだ


仕方ないのでぐりーが落ち着くのを待ってから任務の場所へ向かうことにした

番号の書いた紙は一応ポケットに入れておいた




現場は路地裏にある


秋葉原の電気街から少し外れ人混みから少し外れにあるショップ

中に入ろうと足を踏み出し、、、


琴木「本当にくるんだな、、、?」


はる「いくよー」

やる気を見せる幼馴染


なぜ俺はエロゲーを買うのに幼馴染をつれなければいけないのか疑問だが


離れないものは仕方ない


これは覇道


仕方ないんだよ、、、仕方ない


ショップのドアを開けると独特の空気が立ち込めている

エアコンの匂いというか、紳士のコロンが充満というか


はる「、、、うあー、、、、」


キョロキョロと辺りを見渡し物珍しそうにしているぐりー


店長「お、琴木氏乙ー」


マスターがいた


琴木「やぁマスター頼んでいたブツが入ったらしいね、早速包んでくれないかい?今日はつれがいてさ早く行かなきゃいけないんだ」


うしろのぐりーにわからない様に包めと暗号めいた言葉で伝える

彼なら必ず答えてくれ、「わかったぜセニョール」とかいいながら包装してくれるに違いない

まったくたよりになるやつだぜほんとに、、


店長「ああ、淫乱オンライン貧乳伝説ならここにあるぜセニョール」

実にスムーズにパッケージを出してくるセニョール



琴木「セニョーーーーーーリーーーータァァァァァァ!!」


はる「!!!!!!!、、、、、、、!!!!」


言葉にならない言葉をあげるぐりーさん


鬼畜プレイにもほどがある、、、、


店長「ポイントたまってるだろ?1000円でいいぜ?」


琴木「ハイ、、溜まっています、イツモアリガトウゴザイマス」


はる「、、、、、、」


ある夏の日


僕は何かを失いました





ps、帰宅して興奮し荒ぶった幼馴染に散々ネタにされました





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