極めて普通な非常識
はる
第1話
1話
<div name>導入</div>
「矛盾だらけだ!」
僕は言い殴りその場を去ろうとした
背を向け一歩を踏み出し。。たつもりだったが歩いても向かい合っていたものから離れない。
むしろ近ずいてくる『対象物』
後ろにいるから詳しくは見えないが確実に近ずいている
振り向き確認しようとしても振り向けない
確かに確実に近ずく『対象物』
逃げることも出来ず、認めることも出来ない
それをどうしようともできず
『わからない』
その瞬間に後ろにあるものは『恐怖』そのもので
僕はそれを受け入れた
「どうにもならないねこれは」
ため息をつき、その場に立ちとまり
「逃げれない、見ることも出来ないなら、、、」
後ろから迫る『何か』が背後に近ずいて。。
たまらない気だるさに襲われた
<div name>琴木 逸</div>
枕元で鳴るスマホのアラームで琴木は目を覚ました
変な体勢で寝ていたのかあちこちが痛い
そして何より眠い
なぜこんな眠い思いをしなければいけないのか
世界で一番眠いに違いない
そんなことを考えアラームを6分先にセットし
目を閉じた。。。
枕元で再びアラームが鳴る
流石にもう起きなければいけない
だが限界の先に未来があるのではないか?
人間として未来を見なければいけない
アラームをセットし直し
目を閉じた。。。。
枕元で三度アラームが鳴る
いい加減にしてくれ
僕はこのままオフトゥーン(布団)に包まり生涯を終えるんだ
それが僕の未来なんだよ?
「もうやばいな。。」
琴木は身を起こしベッドから降りて朝の準備を始めることにした
変な夢を見たことと、そして昨晩(朝まで)限界までプレイしていたゲームのせいか強烈な眠気に襲われさわやかな目覚めとは遠く
毎朝の用意も気分が乗らない
しかし琴木は知っている、とりあえず顔を洗えばなんとかなる事を
制服を着て階下に降り冷蔵庫からオレンジジュースを取り出しそのまま飲む
コップ?そんなものいらないさ
世界は自由なんだぜ?
コップなどというものに縛られ失う自由があってたまるか
食器という世界を俺は超えた!超えたァァァァァ!
そう高らかに告げオレンジジュースを飲み干し
玄関に移動し
琴木は靴を履き外へ出て、通学の道に向かった
<div name>未納 晴</div>
毎朝通う通学路、途中起こしに行く幼馴染の家、
いくらチャイムを鳴らしても全く反応せず、スマホを鳴らしても反応はない
少しは待ってみたがもういいかと諦め一人通学していた
「まーたゲームしてたんだろうなぁ」
行動が読みやすい幼馴染である
朝までゲームして多分寝たの2ー3時間前とかなんだろう
冒険もの?のゲームにハマっているとかいってたなぁ。。
ネットを通じて多人数で遊べるらしい
色々言っていたがもう忘れてしまった
「テスト近いのになぁ。。まぁ結構成績いいしなぁアイツ」
ゲームばかりしてネットばかりしてるのに成績いいのは何故なのか
「また教えてもらお」
私、未納 晴は可もなく不可もない成績で、友達と不遇な幼馴染に囲まれて平凡な学生生活を送っています
「美術が得意ですっ」
とかいいながら少し意味もなく走ってみる
びゅーんと。。。
いつもの角を曲がった時、道の真ん中に鉄?のボールみたいなものを見つけた
晴「コロコロ。。?」
なんとも不思議な素材で鉄でもないしアルミでもない
手に取り眺めていると
「はるー!」
聞き覚えのある声が自分を呼ぶ
びっくりして思わずカバンに球体をしまい込み
「な、、なんでもないアルよ、、」
よくわからないが後ずさる
「何言ってんの?学校いくよー!」
晴は友達といつもの道をいつも通り歩いて行った
<div name> 奇会い</div>
授業を受け、休憩時間をすごし、時間をつぶして琴木は呟いた
「寝てる方が有意義な時間だと思う。。」
西都第二学園
可もなく不可もなく、有名でもない普通の高校
習う授業のどれほどが社会に出て役に立つのか
手にする教科書のどれが真実なのかさえもわからない
「ほんと矛盾だらけだよな。。」
そう呟き今朝見た夢を思い出す
夢の描写が妙に生々しく、恐ろしさも感じるが
どこか不思議と落ち着く夢だった
「なんか病んでくる。。」
ポイッターで病み垢でも作ろうかと思える午後である
眠気を堪えることなく抗うことなくただ身を任せ
眠る。。。
眠る。。。。。。。
「いつむーー!」
幼馴染のような声を出す奴は誰だ。。?
僕はこのまま眠りにつくんだ
それは幸せの桃源郷、パラダイス
圧倒的至福なんだよ。。?
ついにはバシバシと殴られる
目覚めの咆哮を挙げ周囲を破壊しまくりたい衝動が芽生え。。
「起きないなぁ。。。ようし。。椅子を。。。」
「ちょっと待てーーーーー!!!椅子をどうする気だ!」
琴木はついに目覚め咆哮を上げた
目の前に空いてる椅子を持ち上げようとする幼馴染の姿がある
「起きないから椅子の角でグリグリしたらおきるかなぁと。。。」
恐ろしい娘である
このグリグリ系少女は(未納晴)幼稚園からの腐れ縁で見た目は美少女であるが、いかんせん思想、そう、思想がやばい
短絡的というか、する事全ての発想が雑
雑な中に変な優しさがあるのが彼女の長所
「いつも思いつきで行動するなといってるだろ。。」
最悪の寝起きで脳みそ停止したまま琴木は言う
「だって椅子で叩いたりしたら可哀想でしょ?」
「いや。。なんというか。。」
もうめんどくさくなってきた
「で何か用?」
さっさと要件を聞いてみる
「テスト勉強教えてよ」
身も蓋もなく答えるグリグリ
「たまには自分でやれよ、前もだっただろ」
「いいじゃんどうせゲームばかりしてるんでしょ?」
「崇高な嗜みと言ってもらいたいね」
よくわからない会話をし
「放課後家いくね」
勝手に決められる
「適当にしか教えないからな?」
「はーい」
いつもの感じである
断っても無理やり押しかけてくるのだから断るのも面倒である
一時期は勝手に家に入ってくるぐらいだったが流石に色々と(男子的に)いきなりはやめてほしいと頼み込んで勝手に作っていた合鍵を没収した経緯がある
こうして放課後の予定が埋まってしまった
冒険したいんだけど。。。
ギルド戦が。。。
などといったところで聞く耳持たないので
ゲームしながら教えていればいいだろう
こう見えてグリグリ系(グリーと命名)は成績はいい方で聞く必要なんかないと思うが。。
そして、一介の女子高生が幼馴染とはいえ家に来るというのもどうかと思うし周囲の目も気になるが、周りもまたかと言う風な感じで極めて普通である
そんなこんなでいつもの学生生活を過ごしていた
そして放課後、友人と挨拶を終え帰宅、途中グリグリ系が
「一緒に帰ろう」とか言い出すのでダッシュで逃げ家に着いた
終始まとわりつかれても色々と面倒である
早々と自室に戻ろうとするがここで思いつく
家の鍵閉めたら自由じゃね?
やつは入ってこれず諦めて帰るだろう
それは仕方ない事、仕方ない事なんだよ、、
さようならっ、、、
鍵を閉めた
「自由だーーーー!!」
指揮が高まり
意気揚々と部屋に戻り自室のドアを開け
「おそーい!お腹すいたからお菓子もってきたよ!」
目の前にグリグリ系
「グリーはなぜこちらにいらっしゃるのですか。。?」
確かに学校においてきたはず。。物理的におかしくね?
「??ぐりーってなに?普通に窓空いてたから窓からはいってきたよ!」
「おかしいだろ!色々と!」
こいつに常識は通用しない。。
逃げれない。。。
湧き上がる何か。。。これは恐怖!
「さぁべんきょうしよ!べんきょ!」
「べんきょしように占拠された我が家いえー」
変な韵を踏んでみる
「いえー」
乗りのいいグリー
「とりあえず、なにがわからんのよ」
「わからないと言うより復習かなぁ」
そう言い鞄から教科書を出そうとするところりと転げてくる球体
その球体がとても懐かしく見えた
昔遊んだ玩具のような
ずっと離さずに持っていたもののような
「これ。。」
「ぱくったんじゃいないんだからねっっ。。。」
「盗品か。。。」
球体に近づき手に取る
手に持った瞬間
流れてくる情報の嵐、
これは情報の塊
それが(分かった)
「。。。。。どうしたの?大丈夫?」
幼馴染がこちらを見ている
頭がぼーっとする
気のせいか手に持つ銀の球体が起動している?感じがする
「これどうしたの?」
晴はすこしおどおどしながら
「道に落ちてて。。なんかもってきちゃった。。」
「そこに罪悪感はあるのかね?」
「はい。。」
反省しているようである
「はいで済んだら警察いらないよねぇ?持ち主が困っているかもしれないねぇ。。?」
「私っ。。わたしはぁ。。。。」
泣き崩れる仕草をする晴
「世界は君を許すよ。。」
遠い目をして優しく微笑む(なかなかむずい)
「おかぁさん。。。。!」
などどと意味のわからないやりといをしていると球体が光りだした
「ユーザーヲトウロクシマシタ」
なぞの音声?が流れ辺りが次第に静まる
「お、、、おかぁさーーーーーーん!!」
なぜか奇声をあげる幼馴染
「なんだこれ。。。。」
奇声の主は気になるが一旦ほっておいて謎の現象を起こした球体を手に呆然とする
球体は静まり
情報が溢れ出してくるっ。。。。
(思うほどびっくりしていない、ただの思いつきを叫んだだけ、その思考はクリアで現状を客観的に考えている)
「なんだ、、、?」
目の前の幼馴染の事が(分かった)
いや、、むしろ知っているが
いきなり火のついたように行動する彼女はその実、以外に物事をシビアに、客観的に考える節がある
騒いでいるのは実際、周囲を和ませるため
昔からの付き合いで知ってはいるが、、、
「????」
頭のなかは?で埋め尽くされている
発する言葉もないまま立ち尽くしていると
「とりあえずお菓子たべる?」
幼馴染の言葉で割れに帰った
「お、おう」
「なんか体おかしいところとか、ない?」
「下半身が。。。」
「なら大丈夫だね、とりあえずコロコロかしてよ」
「うむ」
気を使ってくれたのか、球体(命名コロコロらしい)を渡す
「なんにもはんのうしないねぇ。。」
渡した瞬間、何かが薄れた感覚になる
「その玉もらってもいいか?」
なんだろう
「別にいいけども、なんかあったら教えてね?」
「おう」
何か
大切なもの?
手に置いておかないといけない、そんな気がした
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