やればやるほど不平等になる。そんな皮肉が込められていそうな作品です。まさにこれぞショート・ショート。久しぶりににやーっとしました。
平等主義のもたらす結果は……笑いのなかにシュールさがあり、にやりとさせられます。ブラックユーモアを含むピリリとしびれる傑作です。
こんなにあったら誰でも世界チャンピオンになれます、というより該当者が1人もいない世界チャンピオンが生まれてしまいます。
紹介文からしてその書き込まれた情報量に圧倒されます。ある意味読むのに骨が折れる短編には間違いありませんけれども、その執拗な描写が心の奥底からの『くっ、くっ、くっ・・・』という笑いを呼び覚まします。深いテーマも同時に表現されているのですけれども、笑いのセンスの方に否応なく引きずられていました。おススメです!