36.勝者の褒美
私は筋肉ダルマの方を振り向いてニコリと笑う。それを見て何故か怯えて一歩後ずさる筋肉ダルマ。いや、そんな筋肉してるのに、私の笑顔ぐらいでビビってどうするんのよ……
「確か勝利したらあなたの筋肉触らせてもらえるんでしたよね?触らせてもらえますか?」
「えっ!?いや……しかし……先程は……」
「気が変わったので触りたいんです。いいですか?」
私がニッコリ笑顔でゴリ押ししたら、筋肉ダルマは渋々ながら了承した。
さて。あれね。さっきから筋肉ダルマ呼ばわりしてるけど、仮にも旧い名家の当主。失礼のないように触らなきゃダメよね〜。
私は右手に強烈な魔力を込め、しっかり触る為にギュッと握り拳を作り……
「人ん家のメイドを物みたいに扱ってんじゃないわよ!!!!」
私は筋肉ダルマの鳩尾の筋肉を全身全霊の力を込めて触った(殴った)
私が全力で触ったら、何故か筋肉ダルマは白目でそのまま横にゆっくり倒れていった。
「父上!!?」
「あなた!!?」
筋肉ダルマの奥さんらしき人物と、メルルの兄筋肉が筋肉ダルマに駆け寄るが、私はそれを気に留める事なく歩き出す。それに続くようにアリーやヒエンにレイカ。それに、メルルも続いた。
そんな私達の様子を見てダイン様とヴィオル様は腹を抱えて笑っていたけれど……そういえばあの2人には私の力の一端を見られてしまったわね……まぁ、いいわ。なんとかなるでしょ。多分……
「あの……お嬢様……」
マチョリンスキー家の屋敷からだいぶ離れた所で、メルルが私に声をかけてきた。
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