34.何を言ってるのかしら?この筋肉ダルマ

突然ヴァンダイク様がメルルに駆け寄り、そして……


「メルル戻って来るのだ。お前はマチョリンスキー家に必要な存在だ」


「えっ……?」


メルルに向かってそんな事を言い出すヴァンダイク様。ん?何言ってんのかしら?この筋肉ダルマ。もういいよね。筋肉ダルマ呼ばわりで。


「お前がカトレア様の力を受け継いでいるというなら尚更だ!お前はカトレア様の力を正しく引き継ぐ為にも、マチョリンスキー家の人間と結ばれて、子を産んでもらわなければならんのだ。お前も貴族の端くれなら分かるだろう?」


本格的に何言ってんだろう?この筋肉ダルマ?もっと言うべき事があるでしょ?って言うかまずは最初に言うべき事があるでしょうに……とりあえず、私は困惑して何も言えなくなってるメルルの前に立って


「何だ?小娘。今我が家の為の大事な話を……」


「いいえ。メルルをマチョリンスキー家に戻すなら私達にも話を通してもらわないと。何せ、彼女は現在は我が家のメイドなんですから……」


「むっ……」


私の正論に言葉が詰まってしまう筋肉ダルマ。そんな筋肉ダルマに私はニッコリ笑い


「メルルをそちらに戻したいなら払う物を払っていただかないと」


「ふん。金の要求とは極悪令嬢らしいな」


「勘当した娘に謝罪もなく子を孕めというような言い方するなら極悪令嬢で結構ですわ」


「うぐっ……!?」


筋肉ダルマは更に私の言葉に何も言えなくなる。私はそんな筋肉ダルマに更にトドメをさす。


「メルルをそちらに戻したいならこちらを払っていただかないと」


「んなぁ!?何だ!?この額は!!?」


筋肉ダルマは目が飛び出す勢いで驚く。それもそのはず、その額は下手したら侯爵家の資産並の額だった。

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