33.「ウルトラハイパワー」
と、言うのがダイン様に聞かされた魔力属性「ウルトラハイパワー」を持ったカトレア・マチョリンスキー様のお話である。
この話を聞き、私は急いでダイン様にこの決闘の準備をしていただき、私はメルルを龍の巣に連れて行った。メルルの力がどれほどのものなのかをこの目で実感する為に……
結果は、メルルは龍1匹持ち上げたのである。しかも軽々と。これには、持ち上げられた龍もビックリしたが、メルルの魔力属性が「ウルトラハイパワー」だと知って納得していた。どうやら、一度「ウルトラハイパワー」の持ち主と出会っているらしい。もしかすると、それがカトレア様なのかもしれないが、詳細はまるで分からない。
「ほ……本当にその鑑定結果は正しいのでしょうか……?」
「疑うのでしたら、この証人欄をご覧ください」
「なっ!?これは!?ダイン様だけでなく!!?魔法省のトップ5の名前まで!!?」
ヴァンダイク様はすごく驚かれていた。私も驚いてるんだけど……まさか、ダイン様が一緒に鑑定していたのは知ってたけど、まさか、ヴィオル様と同じ魔法省のトップの方達も参加されていたなんて……
「しかし……「ウルトラハイパワー」を持ちながら何故その娘には筋肉がつかないのでしょうか……?」
「あら?「ウルトラハイパワー」を持っていたカトレア様も筋肉が無かった事で有名でしたよね?」
「うぐっ!?そ……それは……!!?」
「まぁ、これはあくまで推測に過ぎないのですが……「ウルトラハイパワー」の持ち主は強大なパワーを得る代わりに、筋肉がつかないのではないでしょうか?例えどれだけ鍛えても……」
確かに、カトレア様の件といい、メルルといい、強大な力がありながら筋肉は一切ついてなかった事から考えると、その可能性は十分にあるだろう。
「まぁ、マチョリンスキー家の魔力属性鑑定をしっかり行っていたら、推測ではなくなったんでしょうね。筋肉があるないだけで、魔力属性の有無を決めてなければ……ね」
「うぐっ……!?」
そう。恐らくはメルルだけではない。マチョリンスキー家で生まれながら、筋肉がつかず勘当された者の中には、「ウルトラハイパワー」の属性持ちがいたかもしれない。そう考えたらやはり魔法省の魔力検査は大事よね。
まぁ、そこは私の知った事じゃないわ。とりあえず、メルルへの謝罪をしてもらって、さっさと帰るとしましょうかね。
「待っ……!?待ってくれ……!!?」
突如、ヴァンダイク様は声を張り上げメルルを見た。
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