30.決闘の結末
バーベルの最初の重さは20kg。流石にこれぐらい2人共軽々と持ち上げた。
「ふん。まぁ、流石にこれぐらいは出来て当然か」
アルトは軽く鼻で笑ってメルルを見る。対してメルルは無表情で……というより真剣な表情でバーベルを持ち上げている。そんなメルルの反応に若干苛立たしげな顔をしながらも、バーベル上げに集中するアルト。うん。最初からメルルにかまけてないで集中しなさいって……
そして、数十分が経過し、バーベルの重さはどんどん追加され、バーベルの重さは200kgに到達した。
「ふん。辛いなら降参してもいいんだぞ」
アルトはメルルを見てそう言うが、メルルは先程と変わらぬ表情のままバーベルを持ち上げ続けている。アルトは舌打ちしてバーベル上げに集中する。
そして、更に数十分経過し、バーベルの重さは500kgに到達。
「ぐっ……!?ぬぬぬぬ……!?」
やはり「マチョパワー」を持ってるだけあって500kgの重さはちゃんと上げられるようだが、先程までのメルルをバカにするような態度はとれなくなり、脂汗も大量に流れていた。
その一方で、メルルは一切汗をかくことなく、500kgの重さになったバーベルを持ち上げている。
そしてついにその時が来た。バーベルの重さが600kgに到達した瞬間……
「ぐほおぉ!!?」
アルトはついにバーベルを下ろした。ゼェゼェと荒い深呼吸をしている。一方、今も尚表情を変えない汗一つかいてないメルルがバーベルを持ち上げ続けている。
「勝負ありじゃ!勝者!ステインローズ家メイド!メルル!」
ダイン様の声でようやく自分が勝った事に気づいたメルルは慌ててバーベルを下ろした。うん。やっぱりメルルの圧勝だったわね!
「待て!?これは……この試合は不正がある……!!?」
やっぱりというか……アルトが私達に文句をつけてきた。
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