28.決闘の申し込み

私達はダイン様やヴィオル様も伴ってマチョリンスキーの屋敷にやって来た。流石の大物2人の登場に屋敷の従者は慌てていた。って言うか……この屋敷のメイドや執事までマチョなんだけど?最早呪いね……


「ようこそ。ダイン様にヴィオル様に、ステインローズ家の方々。私がこの屋敷の当主ヴァンダイク・マチョリンスキーでございます」


うん。最早筋肉モリモリ過ぎて服が破けそうになってるんだけど……前に会ったアルトなんかの数倍の筋肉モリモリ……出会ったメイドや執事よりも筋肉モリモリ……というか筋肉しか目立ってない……ある意味マチョリンスキー家当主で間違いないわ……コレ……


「うむ。ワシは今日はあくまで中立の立場でやって来た。だから、話はこのアンナ・ステインローズ嬢から聞いておくれ」


ダイン様にそう言われ、筋肉ま……ヴァンダイク様が私を見る。うぅ……相手したくないけど仕方ない……私はヴァンダイク様を見返し


「うちのメイドがあなたの息子さんにバカにされました。ですから、あなたの息子さんとメルルとで決闘を申し込みます」


私が睨むようにそう告げると、ヴァンダイク様は軽く鼻で笑い


「何を言い出すかと思えば……我が家の力を受けられなかった娘ではないですか……」


ヴァンダイク様はメルルを軽く睨む。メルルは怯えて私の背に隠れる。私は「心配しないで」と言ってメルルに微笑みかける。


「やるだけ無駄です。お帰りください」


「逃げるんですか?アイリーン様の時代から活躍し続けた名家と言われた名家が?」


「何?」


ヴァンダイク様が私の言葉に片眉を上げる。


「これは公爵家の方々も仲裁に入った正式な貴族同士の決闘の申し込みです。もし、これを断るならマチョリンスキー家は正式な申し込みを恐れて逃げ出したと世間様に触れさせてもらいます」


「……ふん。小娘が。いいだろう。なら、正式な決闘の申し入れなら対決方法はこちらで決める事になるがよろしいか?」


「えぇ、問題ありませんわ」


こうして、アルトとメルルが決闘する事になった。

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