27.メルルの魔力属性
メルルをヴィオル様に預けてから数十分が経過しただらうか?ようやく、メルルが私達がいる待合室に憔悴した顔でやって来た。
「うぅ……もうお嫁にいけません……」
……魔力属性を鑑定しただけよね?一体何があったのだろうか……
そんなメルルとは対照的に、とてもにこやかな笑顔でやって来たヴィオル様と、もう1人見慣れぬ老紳士が入って来た。
「やあぁ〜!ヴィオルの言う通りすっ飛んで来て正解だった!おかげで面白いものが見れたわい!」
「そうでしょう!お爺様!」
2人共興奮したようにそう会話する。会話内容から察するに、もしかしてこの老紳士って……
「あの……すいません……失礼ですがこの方は……?」
私は無礼を承知でそう尋ねたら、老紳士は大して気にした様子を見せず
「おっと!自己紹介しとらなんだな!ワシはダイン・アスカルド公爵。このヴィオルの祖父になるな」
やっぱり!?って言うか!?なんか超大物が来たんですけど!!?
ヴィオル様と初めてお会いした日に、私はすぐにアスカルド元侯爵家について色々調べた。そこでよく目にしたのが目の前にいるダイン・アスカルド様だ。
数々の武功や戦果をあげただけでなく、その器量の良さで次々とダイン様が関わった場所は発展していった。今ある魔法省や「リリカルスクール」もダイン様が関わって大幅に変わっていったという。
そんなとんでもない大物が何でこんな場所に?いや、いてもおかしくはないけど、わざわざ私の専属メイドの魔力属性鑑定に力を貸すなんて……いや、それを言ったらヴィオル様もだけどね……
「ふむ。実は孫娘からこのお嬢ちゃんの魔力属性を鑑定したら面白い結果が出たから見に来いと言われてな。三大公爵会議をサボって見に来たんだが、いやぁ〜!見に来て正解だったわい!!」
いや!?それ絶対サボっちゃいけないやつでしょ!!?けど……そこまでダイン様が興味を注がれるメルルの魔力属性って一体……?
「ふむ。お嬢ちゃんの専属メイド。そのメイドの魔力属性はな……」
ダイン様は具体的且つ分かりやすくメルルの魔力属性について説明してくれた。それを聞いた私は……目の前のダイン様にある提案をした。ダイン様は超ノリノリでそれを許諾してくださり、すぐに準備をすると言ってくださった。
そして、それから数日後……私達はメルルを伴ってマチョリンスキー家にやって来た。
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