25.メルルは本当に「マッスルパワー」を持ってないの?
何やら言いたい事があるらしいヒエンとレイカ。私が2人に発言を許すと
「あの……本当にメルルには「マッスルパワー」がないのでしょうか?」
ん?どういう事?実際メルルには筋肉がついてないし、マチョリンスキー家の言うように「マッスルパワー」を持ち合わせていないんじゃない?しかし、2人には何か思い当たる節があるようで……
「実は、メルルが皿を割る時は決まって頑固な油汚れは強く力を入れて擦らないととれないという時に割るんです」
これは、ヒエンの証言である。なるほど、強く力を入れたせいで皿を割った可能性があると言いたい訳ね。そして、今度はレイカが証言する。
「前にメルルが転けた時に壁に触れたら、壁に拳大の穴が空きまして……」
ちょっ!?そんな事があったの!?確か……うちの屋敷は魔力弾数発放たれても壊せないように頑丈に出来てるはずなんだけど……そして、まだまだ証言は続き、次はヒエンが……
「実は、希少鉱石であるアダマンタイトを使う為、それをご主人様がメルルに持たせたんですが、メルルは落とさないようにぎゅっと力強く抱きしめるようにしていたら、真っ二つ割れてしまって……」
ちょっ!?ちょいちょい!!?おかしいおかしい!!?アダマンタイトって下手したらダイヤモンド並の硬さを誇る鉱石よ!?それが真っ二つって!!?だが、まだ更に証言は続き……
「前に掃除の時、ステインローズ家の甲冑の下にある埃を取る為に、男性執事を呼ぼうとしたんですが……」
「たまたま通りかかったメルルが、「持ち上げるだけなら任せてください!」と言って片手で軽々と持ち上げたんです……」
いや……確かあの鎧は男性2人がかりでやらないと重くて持ち上がらないって話よね?それを片手で軽々って……う〜ん……今更ながらにしっかり聞くとメルルに「マッスルパワー」がないとは思えないわね……
「あの……それは……私はやっぱり癖が抜けなくて、マチョリンスキー家に伝わる筋力トレーニングをしてるから、他の人よりも筋力があるだけかと……」
確かにその可能性もある。実際、そのトレーニング法を聞いたんだけど、私がやってる修行と大差なかった。けど、メルルの身体をちょっと触ってみたけど、やはりどこにも筋肉がついてなかった。それだけのトレーニングをしていたら普通はどっかに筋肉がついてもおかしくないのに……
これは、何かあるのかもしれない。気になった私は早速動く事にした。
「メルル。ちょっと一緒に来てもらうわよ」
「はぁ、何処にですか?」
「決まってるでしょ。魔法省よ」
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