20.うちの可愛い妹はあまりに可愛いので代表に選ばれました
さて、アンナ・ステインローズである私もついに16歳になり、「リリカルスクール」で私は2年生となりました。私が進級した事に周りの反応は……
「あら?彼女よく進級出来たわね?成績もイマイチで、ヴァン王子に振られた傷物令嬢が」
「両親に泣きついたんじゃないの?」
「あり得るぅ〜!」
などと、私にもの凄い聞こえる声でヒソヒソ話をしているご令嬢達。ん〜……これはヒソヒソ話というのかしら?それに、お嬢さん達。私だって相当苦労してるのよ。実技は目立たず、筆記もそれなりで、しかも赤点を取らないようにね……ゲームの「アンナ」も赤点を取ってないからね〜……色々気を回してるんですよ……
「ちっ、まだあんな事を言ってる輩が……駆逐しないと……!」
ん?あれ?なんか私の可愛いアリーさんから舌打ちとか不穏なワードが聞こえた気がしたんだけど気のせいかしら?私が、アリーの方を見れば、アリーはいつものエンジェルスマイルを見せてくれた。うん。やっぱり気のせいね。気のせい。
「ほら、みんな!席について!」
教室に先生が入って来て、みんな一斉に私語をやめて自分の席に着席する。
「皆さん。そろそろ各国の魔法学園の交流会があるのはご存知ですね?」
うん。よく知っている。ゲームの設定にない物だったから徹底的に調べたのもあるけど、実は我が家でもこれは話題の中心になっていた。というのも……
「そして、今回の各国の魔法学園交流会、ウィンドガル王国で開催するこの大変素晴らしい時に、我が「リリカルスクール」の代表挨拶者としてアリー・ステインローズさんが選ばれました」
先生からの紹介を受け、アリーは立ち上がって一礼する。クラスのみんなが割れんばかりの拍手をアリーに送る。もちろん私もだ。むしろ、この世界にはないけどクラッカーとか鳴らしたい気分だ。今度作製をノイエル町でしようかしら?
代表挨拶者というのは、ようは選手宣誓みたいな事らしいのだが、選ばれるのはその学園で素晴らしい成績をおさめた者だけとの事である。なるほど納得だ。うちの妹は成績優秀で!しかも!可愛いくて美人だ!選ばれて当然だろう!!選ばないのがおかしいぐらいだ!!
「私よりも絶対お姉様の方が良いと思うんですが……」
なんて、謙虚にもそんな事を言う私の可愛い可愛いアリー!やっぱり選ばれて当然の逸材よね!
「ん〜……でも、ちょっと懸念事項もありますね〜……」
私の側に控えていたキョウカがボソリとそんな事を漏らした。
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