19.お姉様にお水を飲ませないと!!
私が色んな雑念を捨て、お姉様の身体を拭いたおかげか、お姉様はさっぱりした様子でスヤスヤと寝息をたて始めた。良かった。これで一安心かと思いきや、お姉様は再び大量の汗をかいて苦しそうに呻き声をあげています。
「高熱を出してうなされてる時はこまめに水分補給をさせるべきね」
と、お母様からアドバイスをいただきました。水差しなら確かに近くにある。しかし……
「う〜……!?あ〜……!?」
高熱の為か、苦しそうに動き回るお姉様のお口に水差しの水を飲ませるのは難しそうだ。確実に口から溢れてしまうだろう。
と、なると……残された手段として考えられるのは……
「これは……お姉様の為……!決してやましい気持ちとかじゃなくて……!お姉様の為……!!」
私は自分自身に言い聞かせるようにそう呟いた後、私は水差しの水を口に含み、私は口移しでお姉様にお水を飲ませようと、私の唇をお姉様の唇に近づけて……
「アンナ!?大病を患ったと聞いて急いで戻ってきたぞ!?大丈夫かぁ!!?」
城でお勤め中のはずのお父様が、お姉様が病気になったと聞いて焦って戻ってきたのか、汗だくの状態でお姉様の部屋に入室してきた。
「あっ……」
「んぐぅ……!?」
私のしょうとした事を見て思わず固まるお父様。そして、私は口に含んだ水を飲んでしまった。
「その……何だ……うん……邪魔したのは悪かったが、寝込みを襲うのは父さんどうかと思うぞ……」
「違うのです!!?お父様!?話を聞いてください!!?」
こうして、私は1時間程お父様に事情を説明するはめになり、お姉様に水分を与えるのは、お姉様専属メイド達とお母様がしてくださいました。トホホ……
そして、数日後……私、アンナ・ステインローズは見事に復活したのですが……
「ゴホッ!!ゲホッ!!」
なんというありがちなパターンというか、私の風邪がアリーに移ってしまった。まぁ、私のように魔力熱暴走が起きてないだけ、私よりも症状が軽いそうだが……
「大丈夫よ!アリー!今度私がしっかりあなたを看病してあげるからね!!」
「じゃあ、お嬢様もこれ着てくださいね♡」
「って!?何でまたメイド服なの!?というか、アリーの時より露出が多すぎじゃない!!?」
結局、アリーの強い要望があって着て看病する事になったのだけれど……看病に必要な服はナース服だと思うんだけど……この世界の人に言っても伝わらないわよね……トホホ……
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