18.そういえば何でメイド服なんだろう?

「お姉様!身体を拭きましょう!汗でベタベタして気持ち悪いですよね!」


「ん……」


普段の私なら慌てて止めるところだけど、高熱のせいであまりしっかり考えられない私は、確かにお風呂に入れない現状、汗で身体中がベタベタする不快感に耐えられず、アリーに支えられながら起き上がり服を脱ぐ。


「お姉様の肌……綺麗……」


なんだかアリーがそう呟いて生唾飲み込む音が聞こえた気がしたけれど、高熱による幻聴かしら?


「この肌……むしゃぶりつきたい……」


う〜ん……やっぱり私酷い高熱があるみたい。さっきから幻聴がよく聞こえてくるわ……


「って!?ダメよ!?私!今日はお姉様の看病をする!それに集中よ!お姉様!身体を拭きますね!」


「ん……」


私はアリーに身体をしっかり拭いてもらう。そのおかげでちょっとだけさっぱりした気がする。さっぱりしたおかげで、少しだけ思考力が戻った私は、そういえば何でアリーがメイド服を着ているのか、今朝の出来事を思い返してみた。




私は、私の看病をすると言い出したアリーに否定の意見が言いたくても、高熱のせいか、発言する気力が湧かずにベッドで聞き耳を立てる事にした。


「アリー。看病って意外に大変なのよ。あなたはそれでも看病するのね?」


お母様がアリーにそう聞いた。後から聞いた話、お母様は何人も看病をした経験があるとか……お母様って昔治癒院か何かで働いてたのかしら?


「はい。もちろんです」


「……分かったわ。それじゃあ、私が看病のやり方をいくつか教えてあげるからついて来なさい」


「はい!お母様!」


なんだかあっという間にアリーが私の看病をする事に決まってしまったんですけど……あぁ……ダメだ……発言する気力が……


「でしたら、アリー様。看病するのに相応しい格好をしないとですね」


「看病するのに相応しい格好ですか?」


キョウカは私の方を振り向いて親指をグッとした。うん。何の意味なのかサッパリなんだけど……


そして、数分後……


「お姉様!お待たせしました!」


そこに現れたのまさにメイド服を着た天使だった。キョウカ達が着るメイド服とは違ってやたらフリルが可愛く、露出が多いのが気になるけれど、それがまさにアリーの天使らしさを強調していて……うん……コレはもう……高熱にうなされていた私は一発でノックアウトした。


とりあえず言えるのは…………キョウカ。GJ

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