おまけ:サルガオノイズミノセイクン

ある日、アンナさんとアリーさんが姉妹仲良くお出かけしていたら、あろうことか、アリーさんが泉に落ちてしまったのです。


「ちょっ!?何でそうなるのよ!?私がそんな事させる訳ないでしょ!?ってか!そうじゃない!?早く助けに……って!?なんか見えざる壁が邪魔してるんですけど!!?」


と、アンナさんが1人騒いでいたら、泉がブクブクと泡立ち、泉から1人の人物が現れました。


「って!?サルガオ君!?何で泉から登場!!?」


「違います。僕の名前はサルガオノイズミノセイクンです」


「長ッ!?名前やたらと長い!?えっと略してサルガオ君でいい?」


「いいですよ」


「いいの!!?」


あっさり了承を得られて驚くアンナさん。


「僕も名前長くて覚えられなくなりそうになる時があるので……では、コホン。あなたが落としたのこの普通のアリーさんですか?」


サルガオノイズミノセイクン改めて、サルガオ君がそう言うと、泉から先程落ちたアリーさんが登場しました。


「あの……お姉様?これは一体……?」


「う〜ん……なんか知らないけど、しばらく付き合わなきゃダメみたい。まだ見えざる壁が邪魔してるし……」


そう。まだこの話は終わっていません。続いてサルガオ君が泉から出現させたのは……


「それとも、幼少期のアリーさんですか?」


「おねえさま〜!あそぼぉ〜!」


「ぶふぅ!!?」


幼少期アリーさんの可愛さに思わず吹き出してしまうアンナさん。そんなアンナさんをジト目で睨むアリーさん。


「お姉様……まさかそういうご趣味が……?」


「ち!?違う違う違う!!?私は妹だから!アリーだからいいだけよ!!決してそういう趣味とかじゃないから!!?」


慌てて否定するアンナさん。そして、そんなアンナさんの内心は驚愕で満ちていた。


(そんなバカな!?私のアリーレーダーが、この幼少期アリーもアリーだと訴えてる!!?)


そう。同じ人物が2人も存在するはずないのに、アンナさんの妹レーダーは、幼少期アリーさんも、アリーさんだと言っているのである。


しかし、ここで更にアンナさんを困惑させる事態が起きる。


「それとも、ちょっと大人でエロスなアリーさんですか?」


「ふふふ♡お姉様♡私と一緒に今夜楽しみましょ♡」


「ひゃい!!?」


「ちょっ!?私!!お姉様から離れなさい!!?」


ちなみに、この大人でエロスなアリーさんも本物のアリーさんだと告げている。

しかし、まだこれだけではなかった。


「それとも、猫耳メイドなアリーさんですか?」


「ご主人様♡ご奉仕いたしますニャン♡」


「はうわぁ!!?」


明らかに猫耳がついていて、こっちは本物のアリーさんであるはずないのに、何故かこの猫耳メイドなアリーさんも本物の妹だと告げていた。


「尚、今回は出血大サービスで選んだ方のアリーさんを差し上げます」


「はい!?普通は本当の事を言って全部貰えるパターンじゃないの!!?」


「尚、全部という選択肢はありません。さぁ、アンナさん。あなたはどのアリーさんを選ぶんですか?」


『お姉様!!!!もちろん私ですよね!!!?』


「いや……そんな……そんな事言われても…………」















「私に1人のアリーを選べなんて出来る訳ないでしょうがぁ〜ーーーーーーーーーー!!?……はぁ……はぁ……夢……?夢かぁ〜……夢で良かったぁ〜……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る