15.アリーの決断
アリアンロッテ王女の珍道謝罪の後、アリー1人だけ王城の応接間に呼ばれた。アンナは当然心配したのだが、呼び出したのがヴィオル・アスカルド公爵令嬢と知り、アンナは安心してアリーを送り出したのだ。
しかし、アリーは道中で何がヴィオル様に呼び出しをくらうような事をしたんだろうかと考えながら、王城の応接間までたどり着き、扉をノックした。
「どうぞ!入ってちょうだい!」
何故か王城の応接間なのに、我が家のような対応をするヴィオルに若干の疑問を感じながらも、アリーは言われた通りに入室する。
「失礼します」
「待っていたわ。そこに座ってくれる?」
ヴィオルに促された席にアリーは着席する。すると、ヴィオルの専属らしきメイドが素早く紅茶をアリーの前に置いた。
「さて……もうぶっちゃけ単刀直入言っちゃうけど、アリーちゃん。魔法省に入る気はない?それも、私の直属の部下としてね」
「えっ……?」
まさかのスカウトの話に驚くアリー。が、アリーは一応学園に入学してから魔法省から、入省を勧められてはいたが、その時はうまく言って断ってきたが……
「一つ聞いていいですか?」
「どうぞ。何でも聞いてくれて構わないわよ」
「ヴィオル様の直属の部下にしていただけるという事は、ヴィオル様に直接魔法を指南していただけるのでしょうか?」
アリーは真剣な顔してヴィオルにそう聞いた。それを受けたヴィオルはニッコリ笑って
「もちろん。何だったら今からでも大丈夫よ。現状私の直属の部下はいないからね」
と、言った。実際は、ヴィオルの直属の部下になりたがる人は大勢いるのだが、ヴィオルのあの秘密がバレてはいけないと、ヴィオルの周りに人をあまり付けないようにしているのだ。が、アリーは何とか上層部を脅……説き伏せたのである。
「分かりました。その話お受けします」
アリーはそれを聞いてアッサリと承諾した。その対応にヴィオルは若干驚いた。
「魔法省の職員がどれだけ言っても断ったと聞いたから、アッサリと承諾もらえるとは思わなかったわ……何か心境の変化でもあったのかしら?」
「はい。私は今のままではダメだという事を、先のアリアンロッテ様の事件でもよく理解しました。だから、私は少しでも変わりたいと思ったんです」
アリーは真摯な瞳でヴィオルを見てそう言った。
「……分かったわ。あなたのその想いに十分応えると約束するわ」
「よろしくお願いします」
こうして、アリーは将来ヴィオルの直属の部下になることが決まった。
(さて、これでアリーちゃんの方はオッケーね!後はアンナちゃんの方だけど……そうね。アリーちゃんを鍛えつつ、アンナちゃんを堕とすアドバイスを送りましょう。アリーちゃんがアンナちゃんを堕としてくれたら、こっちにとっても都合がいいしね♡うふふ……♡)
ヴィオルの「ツインシスターハーレム計画」も着々と進められていた……
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