14.アリアンロッテ王女が……なんてあるわけない……よね?

「噂を真に受けてよく確認せず!君達に迷惑をかけて誠に申し訳なかった!!!」


更に翌日、城に呼び出された私達が謁見の間に連れてかれ、最終にされたのはアリアンロッテ第一王女のこれはまた綺麗な土下座であった。たった2日の間に何があったのか分からないけれど、突然の謝罪に戸惑う私達。

すると、アリアンロッテ王女はススス……と土下座した状態で向きをカイン王子達の方に変え


「だから……1週間口を聞かないは勘弁してください!お願いします!」


と、めっちゃ涙目でカイン王子達に土下座するアリアンロッテ王女。その姿は私達に襲いかかってきた人とは思えないぐらいだ。

うん。なるほど。私達に謝罪しないと1週間口聞かない的な事を言われたみたいね。それは、種類は違えどシスコンである私にはよく分かるわぁ〜。私もアリーに同じ事を言われたら……苦手なお化けでも土下座して謝罪する自信がある。


「……はぁ、まぁ、いいでしょう……」


「えっ!?本当に!!?」


カイン王子の許しの言葉を聞いて、ガバッと顔を上げるアリアンロッテ王女。カイン王子はそんな姉を見て、爽やかだけど若干胡散臭さの感じる笑みを浮かべ


「えぇ、もう姉上をお仕置き出来る人物は到着してますので」


「へっ?私をお仕置きって……まさか……!!?」


「アリアンロッテ様♡」


「ヒイィィ!!?」


いつの間にかアリアンロッテ王女の背後に、物凄い黒い笑みを浮かべたメイドが立っていた。っていうか本当にいつの間にそこにいたの!!?


「えっと……あの人は……?」


私はコッソリとヴァン王子に近づいてそう尋ねる。


「彼女はリンカ。元アリアンロッテ姉上の専属メイドで、アリアンロッテ姉上の妻だ」


「なるほど……アリアンロッテ王女の元専属で……妻ぁ!!?」


私はあるワードにビックリして思わずそう叫んでしまう。それを受けヴァン王子は疲れた溜息をつき


「その昔、姉上には沢山の縁談があったんだが全て断ったんだ。男は弟達以外好きになれないと言ってな。それで、自分の専属である彼女を嫁にすると言い出してな……」


「はぁ……それで、王家はそれを認めたんですか?」


「姉上が今回のような行き過ぎた暴走をした時、きっちりお仕置きしてくれるの彼女しかいなかったんだ」


なんだかとてつもない話である……

しかし、あのメイドさん……強さ的にはそんな強さを感じないのだけど……なんとも言い難い黒いオーラは放ってるけど、得意魔法は治癒全般と、私の鑑定眼が言ってるし……


「あの……!?リンカ……!?これは違……!!?」


「うふふ♡言い訳なら部屋で聞きますわ♡まぁ、最近耳が難聴なのか聞こえづらい時がありますけど♡」


「いやあぁ!?ちょっ!?ダメ!?今日はちょっと待って……!!?」


しかし、アリアンロッテ王女の叫びは一切聞かず、メイドのリンカさんはアリアンロッテ王女は首根っこ掴まれて強制退場させられた。何とも言い難い光景である……


「なんだかアリアンロッテ王女に同じ匂いを感じます」


「お姉様もですか?私もそんな気がします」


私の側でキョウカとサクラがそんな事を呟いたが、いくらなんでもそんな事……ない……よね……?

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