10.私達だって姉妹喧嘩ぐらいした事ありますよ!?
私達はアリーに頰を叩かれた後、しばらくお互いに固まっていたが、ここにいても仕方ないと誰が言い出したかもう覚えてないけど、とりあえず森を探索する事にしたのだが……
「………………」
「………………」
私達はお互い無言で歩き回っていた。
いや……言わなきゃいけない事とか、色々あるんだけれど、どう言えばいいのか分からずに、私はアリーに何も言えないまま、ただひたすら森を歩いていた。そして、それはなんとなくだけど、アリーも同じ気持ちなんだろうなと思った。
これも、いわゆる姉妹喧嘩なんだろうなぁ〜……正直、私達が数分間お互いに口を聞かない姉妹喧嘩は初めてかもしれない。
えっ?君達仲良すぎるから姉妹喧嘩なんてした事ないだろうって?いやいやいや!!?私達だって姉妹喧嘩ぐらいしますよ!!
例えば、お互いの服を選びあってる時に……
「あっ!この服可愛いわね!」
「本当ですね!凄く可愛いです!」
「こういう服は可愛い可愛いアリーが1番似合いそうね〜」
「何を言ってるんですか!?可憐なお姉様にこそ似合ってますよ!!」
「いや!?アリーこそ何を言ってるのよ!?これはアリーにこそ相応しいわ!!?」
「いいえ!!お姉様の方が!!」
「アリーの方が!!」
「お姉様!!」
「アリー!!」
とか、後三時のおやつタイムの時に……
「今日はいちごのショートケーキね!」
「はい!凄く美味しそうです!」
「こっちの方がいちごが多いわ。こっちはアリーが食べて」
「何を言ってるんですか!?お姉様いちご好きですよね!?だったらお姉様が食べてください!!」
「いやいやいや!?私は基本少食だからアリーが!」
「少食だからこそ、たまには多めに食べてください!お姉様!」
「アリーが!」
「お姉様が!」
「アリー!!」
「お姉様!!」
と、まぁこんな感じに私達だって姉妹喧嘩をしてるんですよ。えぇ。
と、私が頭の中で私達の姉妹喧嘩を振り返ってると、アリーが初めて沈黙を破った。
「お姉様……アレ……」
アリーが指差した先には、森の中に何故か一軒家があった。何故こんな場所に一軒家が?パッと見た感じ人の気配はないけれど……
すると、私はふと空を見上げると、日がだいぶ傾いてきていた。このまま探索していたら最悪森で野宿するハメになりかねない。
「とりあえず、あの家に行ってみましょう。人の気配は感じないし、入れるようなら申し訳ないけどこの家に泊めてもらいましょう」
私の意見にアリーは黙って頷いた。
私達は家に近づき、扉に手をかけると、鍵はかかっておらず、中に入ることが出来たので、私達は誰もいないと分かっているが、「失礼します」と言って中に入っていった。
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