9.更にまさかの展開へ……
「……ね……え様……!?目を……ください……!?」
ん〜……なんだろう……天使のような心地良い声が聞こえるわ……あぁ……そうか……私、泳げもしないのに、妹を守る為に崖から飛び降りて川に着水して……それで……
ふっ……まさか今世でも短い人生になるなんて……けれど、妹を守る為に死ねたなら本望よ……これで安らかに天国へ……
「お姉様!!?目を開けてください!!?お姉様!!?」
ようやくクリアに聞こえてくる私の可愛い天使のアリーの声が聞こえて、私はパッと目を開くと、そこには心配そうに私を見つめるアリーの姿があった。
「良かった〜……お姉様……無事で本当に良かった……」
「ここは……?」
まさか……私だけじゃなくアリーまで死んじゃったの!!?それじゃあ何の意味もないじゃない!!?
「分かりません……何とかお姉様を抱えて川岸までたどり着いたんですが……」
改めて私は起き上がって周りを見てみると、川岸の先は木々しかない大森林が広がっていた。本当にここはどこなんだろうか?
ん?ちょっと待って……今……アリー私を抱えてって言った……?
「アリー……今、あなた……私を抱えて川岸までたどり着いたって言った?」
「はい。だって、お姉様はまだまともに泳げないですし……」
「バカ!!!何で私を捨て置かなかったの!!?」
私はアリーにそう叱りつける。アリーは私の怒声にビクッとなるが、すぐに私を睨みつけて私に反論する。
「そんな事出来る訳ないじゃないですか!!?」
「最初に言ったでしょ!私は捨て置きなさいって!たまたま川の流れが緩やかだったみたいだから良かったものの!激しかったら2人共助からなかったのよ!?」
「でも!それでも!!私にはお姉様を見捨てる事なんて出来ません!!!」
「私の事なんてどうでもいいのよ!!私はあなたが……」
私が言い募ろうとした次の瞬間……
バシンッ!!!!
私は頰を思いっきり叩かれた。目の前にいる私の妹の手によって……
「あっ……!?」
アリーも何故自分がこんな事をしてしまったのか分からないと言った表情で、私の頰叩いた手をギュッと握りしめて私を見ていた……
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