8.連載再開早々にこんな展開ありですか!!?

はぁ……!?はぁ……!?なんとかアリーを連れて走って逃げ、アリアンロッテ王女をまいたようだ。私達は今どこかよく分からない森の中で荒い深呼吸を繰り返しながら休憩していた。


「はぁ……!?はぁ……!?アリー……ごめんね……急に走らせちゃって……」


「いいえ……それはいいんですが……何故アリアンロッテ王女はお姉様を悪女と罵って追いかけてきたのでしょうか……?」


「あぁ……それは多分、私への噂が原因かも……」


私は王子達の婚約破棄の原因が全て自分の責だと噂になってる事を知っていた。知っていてあえて訂正しなかった。

だって……そんな事したら私の可愛い可愛い!!天使のようなアリーがキズモノ令嬢として扱われちゃうじゃないの!!私なんてどうでもいいけど!それだけは断固阻止よ!絶対に!!


「何ですか!?それ!?そんなの完全な勘違いじゃないですか!?」


私が簡潔に説明したのを聞いたアリーは、頰を膨らませて憤慨する姿が今日も可愛い♡じゃなくて……まぁ、そうなった原因の半分は、噂を火消ししなかった私にあるんだけどね〜……まさか、火消ししなかったのがこんな事態を引き起こす事になるなんて……


けど、今はそれより最大の問題点でアリアンロッテ王女ね。正直…………彼女は強い。最近私は、災厄の力も一部取り込んだおかげで魔力が上がり、人の強さを測れるようになったけど、アリアンロッテ王女の実力は、ヴィオル様の何倍もの魔力を持っている。


私だけを狙って一対一で挑んでくるのなら、どうにかして逃げられる手段はいくつもとれたんだけど、彼女は何故かよく分からないけど、アリーまで断罪対象としてみなしてしまっている。

もし、アリーがアリアンロッテ王女に狙われてしまったらまず勝ち目はないだろう。しかも、アリーの前で私は本当の実力を発揮する訳にはいかないから、まさに八方塞がり状態だ。


「やっぱり!アリアンロッテ王女と話して誤解を解くべきだと思います!」


「無駄よ。あの手の手合は話を聞いてくれる感じじゃなさそうだもの」


私にはよく分かる。シスコンとブラコンは似て非なる物。私も、彼女と同じ立場にたったら話を一切聞かずに妹を苦しめた奴を断罪しまくる自信がある!!


「では……一体どうしたら……」



「ふふふ……見つけたぞぉ〜……!!」


んなぁ!?ヤバい!?もう見つかった!!?私は再びアリーの腕を掴んで走り出す。


走る先々で火柱が上がってる気配を感じるが、最早気にしてる暇なんてない!?なんとか逃げ切らなければ!!?


しかし……連載再開早々……私達姉妹はとんでもない大ピンチな展開に……


「なっ!?崖!!?」


私達は走り続けてたどり着いた場所はまさにこれでもかと言わんばかりの崖。念のため下を覗いてみたら……うん。なんか……絶対私だけ助からない予感が……


「待てえぇぇぇ〜ーーーーーーーーーー!!!!」


前門は崖。後門は修羅と化したブラコン王女。最早、選択肢は一つしかないみたいね。私はギュッとアリーを抱きしめる。


「ひゃう!?お姉様!!?」


私に抱きしめられて驚いた声をあげる妹が本日も絶好調に可愛い♡って、そんな事を思ってる場合じゃなかったわ。


「アリー。これから私がする事で私があなたが生きるのに邪魔なら私は捨て置きなさい。いいわね」


「お姉様!?一体何を……!?」


私は問答無用で結界の魔法を展開すると、アリーを抱きしめたまま崖から飛び降りた。


私達姉妹は重力に従い落ちていき、そして…………


ザッバァァァァ〜ーーーーーーーーーーン!!!!


崖の下ににあった大きな川に2人揃って着水した……

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