5.ノイエル町が私の知らないところで色々変化してました

「クッシュン……!!?」


何やら急に悪寒がして思わずクシャミをしてしまう私。


「お姉様!?大丈夫ですか!?どこかお悪いのですか!!?」


そんな私を心配そうに見つめてくるアリーは今日も今日とて私の可愛い可愛い天使です。


「大丈夫よ。アリー。ちょっとなんだか寒気がしただけだから」


「寒気って……!?もしかしたら風邪の引き始めかもしれません!早く温めないと!!?」


う〜ん……なんだか最近うちの妹は心配症が過ぎる気がする。まぁ、そこもなんだかんだで可愛いのだけれどね〜♡


「お姉様!なんだったら私がお姉様を抱きしめて温めて差し上げますから!」


気のせいかしら?最近私よりもアリーの方が危ない発言が増えてる気がするのだけれど…………うん。気のせいよね。だって、今日もアリーはこんなに可愛いのだから♡


「あぁ〜……それはやめた方がいいと思いますよ。アンナ様がまたぶっ倒れると思いますし。別の意味で」


うん。確かに。アリーに抱きしめられたら身体中の血液が沸騰してぶっ倒れる自信があるわね。止めて正解よ。キョウカ。


「分かりました……でも!必要ならいつでもおっしゃってくださいね!いつでも抱きしめる準備は出来てるんですから!」


抱きしめる準備とは一体……?私がぶっ倒れないようにする為の心の準備だろうか?


「あのぉ〜……姉妹でイチャイチャするなら別のお店でやってもらえませんかね?」


そう言って私達をジト目で睨んできたのは、このノイエル町の「パルフェリア」のパティシエ兼店長のノエルだ。

あっ、すっかり忘れていたけど私は今日「パルフェリア」の視察も兼ねてたんだったわ……


「全く……最近では他にもイチャイチャする姉妹カップルが増えたというのに……」


ノエルは溜息をついてそう言ってきた。いや、私達は姉妹でイチャイチャはしてますが、カップルではないですよ?というか……


「イチャイチャする姉妹カップルが増えてる……?」


ノエルが何も言わずに指さしてる方を見ると……


「はい♡セリーナ♡あ〜ん♡」


「ん〜!美味しいです!お姉様!お姉様からいただける物なら何でも美味しいですけどね!」


「もう♡セリーナったら♡大げさよ♡」


うわぁ〜……何というかもう完全に2人だけの世界でイチャイチャしてらっしゃる……


「あの2人、最近この町に来て働きたいと言うのでここで働いてもらってる姉妹なんですが、働いてる日もイチャイチャしてるし、働いてない日もあんな感じなんです……」


マジかぁ〜……働いてる時すらあんな感じとは……


「むむむ……!私ももっとあぁやって積極的にいかないとダメですね!」


アリーがなんか言った気がするけれど……はて?私とした事がアリーの言葉は聞き逃すなんて……


「まぁ、あの2人は新婚だから仕方ないと言えば仕方ないんですが……」


はぁ〜……なるほど……新婚なのね……それは常時2人だけの世界でいても仕方ない……って!?ちょっと待ちなさい!!?


「今!?新婚って言った!!?」


「はい。言いましたけど」


「あの2人!姉妹よね!?何で姉妹で新婚扱いされてるのよ!!?」


私は女同士である事も姉妹である事も含めてそう聞いた。


「あぁ、ノイエル町では同性同士でも兄弟・姉妹でも式を挙げられるんですよ」


はい!?ちょっ!?そんなシステム私知らないんですけど!?って言うか、そんなこの国にも法律があるけど、その法律を無視するような事したらダメなんじゃ……!?


「あぁ、アンナ様が心配されてる問題なら大丈夫ですよ。このノイエル町は国からの独立自治権をアルフ様とアスラン陛下の2人から許可をいただいてますし」


ちょっと!?ノイエル町いつの間にそんな事になってたの!?って言うか!お父様もアスラン陛下もそんな事簡単に認めていいの!?まぁ、ノイエル町がウィンドガル王国に反乱を起こす事はないんだけど……


「なので、もしよろしければお2人もこの町で式を挙げられてはいかがですか?」


「はい!その時は是非に!!」


う〜ん……アリーは乗り気だけど、私はどうかなぁ〜……とりあえず今の私はアリーとイチャイチャしつつも、アリーに相応しい人を探す事しか考えられないわぁ〜……まぁ、未だに見つかってないんだけどね〜……

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