第12話 企みは想い思われ重なって

 お市達が到着してから十日程明けた、暑い盛りの昼下がりである。

 白粉女の小春は宿の入口で、羽振りの良い三十過ぎくらいの人の良さそうな行商人を見つけ、袖をつかんで声をかけた。

 旅の汚れこそあれど、着ているものに持っている物はどれも上物ばかりだ。逃がすわけにはいかない。


「ねえねえ、御兄さん。寄って行っておくれよ。援けると思ってさ。美味い酒に美味い肴があるよ。アタシ以外にもさ、若くて美人も多いし、得する事ばかりだよ。こんないい宿ないからさ。寄って行っておくれよ」


 行商人の男は、人の良さそうな笑顔を満面に浮かべて、にこやかに返してきた。


「いやあ、こんな別嬪さんに捕まっちまったら、如何にも逃げられないなあ」

「嫌だぁ。別嬪さんなんて。御兄さんこそ男前よ。さあさあ此方へ」


 肩からぶら下げている振分荷物に手を伸ばしたその時、


「おっと、こいつはよしとくんない。大事な物が入っているんだ。自分で持つさ」


 笑顔で返してはいたが、目がさっぱり笑っておらず、獲物を狙う蛇の眼を覗き込んだ様な嫌な気持ちになった。

 小春はいい客を捕まえたと思う反面、少しばかり、背筋に寒いものを感じていた。

 何だろう……何か違う、この人。


「それはそうと、姐さん。毎日ここで立って客引いてんだろう。ご苦労様だねえ」


 そう言って、袂から紙で包んだ小銭を握らせてきた。

 幾つか前もって仕込んであるのだろう。

 抜け目のない油断ならない男だと、小春は見て取った。


「実はさ、世話になったお方がこの辺りに来てるって小耳に挟んでね。もしかしたら居るかもって探しているんだが、馬を連れた番頭さんと男の子女の子を供連れにした、若くて綺麗な女将さん、見ていないかな」


 小春は嫌な予感がした。

 とてつもなく怖いことが起きる前の胸騒ぎをこの商人から感じるのだ。

 そしてこの嫌な予感は、面白くないくらいに外れたことが無い。

 藩が御取りつぶしになり、乱暴狼藉者達の押込みと火付けで父母が亡くなって以来、身についた嫌なもの。

 躰が怖気るのを無理矢理隠し、しなを創りながら笑顔を浮かべた。


「ああ、知ってるよ」

「おや、本当かい。そいつは嬉しい」


 笑いかけて来る商人へ、これまたにこやかに、そして出来るだけはすっぱに聞こえるように話しかけた。


「続きはまずは足洗って、上がってからにしておくれよ。膳を囲んで、酌しながらゆっくりと話してあげるからさ」

「おうっと、それもそうだな。姐さんも商売が上手い。じゃあゆっくり飯でも食いながら、話でも聞こうかな」

「有難う。お客様お一人様ご案なーいっ。お願いしますよ」


 小春は宿の中に商人を突っ込むと、向いの土産物屋の小僧を捕まえて、


「さぶちゃん、さぶちゃん」


 と呼びつけた。

 呼ばれた小僧は存外嬉しそうに小春に駆け寄ってくる。


「はあい。なあに?」

「お遣いを頼みたいの。湯守り様の処の清七さんへ、直ぐに届けて頂戴」


 そういうと、白粉女には不似合いの矢立てを取り出し、小筆で短冊にさらさらと書きつけると、手渡した。


「きっと清七さんに届けておくれ。急ぎでお願いね」

「湯守り様の清七さんだね。分かったよ」


 駆け出す小僧の背中を見て、少しほっとする小春は、宿を振り返ると、暑い盛りにも拘らず、肩をすくめて中に入っていった。

 使いに出た小僧は、元より真面目な性格なのか、或は尻の青さには関係無く、小春にホの字なのかは分からないが、しっかりと務めを果たし清七の居所を見つけ、息も切れ切れの状態で、安楽豊屋の勝手口を訪ねて来た。

 清七はあれから毎日安楽豊屋に来ては、辰吉やお豊と番頭とで、何やら色々と忙しくしていたのであった。


「はぁ、はぁ。御免下さい。清七さん、居ますかぁ。遣いのもんでござアい」


 清七は奥から出て来ると、女中から水をもらい勢いよく飲み干している、顔馴染みの小僧に笑顔で応えた。


「おや、サブ。どうしたんだい」

「小春ねえにお使い頼まれた。これ」


 小僧は、はにかみながら短冊を渡した。

 短冊は小春がちょいちょい、遠くを見ては書き付けているもので、あまりいい紙では無い。

 しかし、端は綺麗に切り揃えてあり、押し花までした、手間と暇をかけ丁寧に造られたものだ。

 小春の心根が感じられると清七は前々からずっと思っているものである。

 何度かその姿を見かけて、辛い時や哀しい時に、歌を詠んで自分を慰めているという事を聴いた清七は、心動かされると同時に、心無い姉や方に妬みを買うと危ないから、人前では余り行わない様にと釘を刺したものでもあった。

 訊き訳も良く頭も良い小春は、全てを承知して二つ返事で聞き入れて呉れたのだ。

 清七は短冊を受け取ると、ちらりと目を通し、瞬間渋い顔になったが、直ぐに小僧に笑顔を向けた。


「有難うな。助かったよ。ほら。粟餅でも買って帰れ」

「またお願いします」


 小僧は、清七から渡されたそこそこ重みのある小銭に、それは満面の笑顔を浮かべながら、仔犬の様に走り去った。

 小僧を見送った後、清七は厳しい表情で宿の番頭に声をかけた。


「女将さんに、お福さんの御一同、それに宿の纏めのお歴々を、すぐさま仏間に集めて下さい。特に、あのおつかわし屋の番頭の辰吉さんは必ずだ。直ぐにお願いします」


 番頭は元々、安兵衛親分の処に居た男である。

 清七のただならぬ様子に、すぐさま頷くと、皆を仏間へと集めた。

 お市に藤次郎、辰吉とお福のおつかわし屋の全員と、お豊に番頭、それに手代頭と女中頭の四人が集まってきた。

 おつかわし屋の面々は兎も角、お豊に番頭、手代頭に女中頭と宿の忙しい面々が、嫌な顔一つせずにやって来たのは清七の人徳で在ろう。

 辰吉は、お市の人の見る目の確かさに安心するとともに、筋道の良いこの若者をじっと見ていた。

 流石はお嬢が惹かれる男だ。

 清七は皆に、急遽集めた詫びを丁寧に伝えた。


「いきなりのお声がけ、誠に申し訳も御座いません。皆様の都合も顧みず、御集り頂きましたこと恐縮でございます」


「血相変えてどうしたんだい。清七さんらしくもない」


 開口一番、お豊が言った。


「はい。実は、顔見知りの宿の客引きから、この様なものが届きました」


 清七は小春が寄越した短冊をお豊に渡した。


「へえ、これまた綺麗な女文字だこと。お福さん、読み解きをお願いね」


「はい」


 お福は白魚の様な指先で丁寧に短冊を受け取ると、流れる様な柔らかい綺麗な文字で、書き付けてある内容を読み上げた。


〝明けぬうち

 湯気のいづこに 華宿るらむ

 たずぬる陰の 裾をは踏めば″


 聞きつけるなり、辰吉も番頭も女中頭も顔を曇らせた。


「あまりよろしくない何者かが、此処を、お豊姉様や私達を訊ねて来ているようです。まだばれてはいない。今まだ留め置いているから、早く来いというところでしょうか」


 お豊は、安兵衛が隣にお豊あり、と言われていた時の顔になっていた。


「そうよね。どう読み取ってもそうなる。清七さん。この文というか歌をくれた女人は何者ですか。何処まで事情を知っているのか、承知しておかないと」


 清七は短く頷き言葉を返した。


「この短冊をくれた者は、小春と申します、袖引きの白粉女でありますが、此方様の事情など露の一滴すら知りません。にも関らず、こういうものを寄越して来るという事は、余程何かを感じたという事。御身の回りに気を付けて頂きたく、先ずは皆様にお報せした次第で御座います」


 お市はめまぐるしく回る話について往けず、藤次郎に小声で尋ねた。


「ねえ、何となくは判る。でもなんであんな解釈になるの?」


「もう。しょうがないな。明けぬうち、というのは、夜が明ける前にという事と、ばれない内にという事を掛けていて、湯気の何処はこの草津の地で、華が泊っているだろうから、何処にいるかと尋ねられたので、そのよろしくない男の裾を分らないように踏んでいる、つまりは留め置いているという事さ。だから今の裡に来いってことだよ」


「へえ、何でよろしくない男って判るの?」


「華とは、美人を例え表している。美人は何処にって、そんな言い方をするのは、男だし陰をという事は、あまり良くないって事さ」


「成程。ぱっと解る皆も凄いけど、ささっと書き付けられる小春さん、凄いのね」


「うん。本当にそう思う」


 お市と藤次郎の話の間も、大人達はなおも今後の事を講じ合っていた。


「ありがとうよ。清七さん」


 辰吉が、良く通る声で皆に聞こえる様に言った。


「……ってえ事で、そいつが何者かは分かりませんが、剣呑な連中の一人である事は間違いないでしょう。小春さんは若女将を詠っていますが、その男の狙いは、どう考えたってお豊姐さん達だ。何か証左でも有るといけねえから、始末をつけたいんでしょう」


 お豊が仏壇を指差して行った。


「証左なんてものは有りやしないよ。残していったのは、あの観音様くらいさね。彫りかけでそのまんまさ」


「そうですかい。しかし、相手は其の事を知らない。千載一遇とは当にこの事。危ない橋ですが、渡っても宜しいですかい」


「辰さん。皆の前ではっきりと告げるなんて、アンタらしくも無い。そんなに危ないのかい」


 お市も藤次郎も固い顔をして頷いた。


「山人達でも押し寄せて来るのかねえ」


 お豊の言葉であったが、お市の頭の中には、山人達よりも、例の侍達の姿が浮かんでいた。

 小首を傾げながらふむ、と考え込んで、


「ねえ、藤次郎。あのお侍さんたちが、悪いことをしている一味だとすると、総大将はどんな人何だろう。やっぱり、お侍さんなのかなあ。それとも違うのかな」


 と素直な心根で尋ねた。

 藤次郎はお市の質問で何かが閃いたようだ。

 目を大きく開くと鼻腔が膨らんでいる。


「そうか。そうだよね。姉さんの言う通りだ。敵の大将が代官所の中に居れば、酒井田様はあんなに回りくどい事はしていない筈。乱波者の類だと言っていたから、捕まえにくい姿形をしているんだ。客引き女に袖を引かれるという事は……」


 藤次郎が目を向けた先では、辰吉と清七が険しい顔で話していた。


「……でどうだい。何とか行けそうかい」


「いえ、今この温泉場には色々な身分の方々が、色々な複雑な事情をお持ちで来ていらっしゃる。怪しい者が如何程いるのかは見当も着けられません」


「となると、やはり、唯一の手掛かりは小春さん頼みか。そんなに時は掛けられねえが、前に話した通りの段取りは、何とかなるかい?」


「はい。手勢も含めて半刻もあれば」


 辰吉は腕くみしながら渋い顔で告げた。


「いけ好かねえが仕方ない。小春さんごと身柄を抑えてしまうしか無えなぁ」


「小春ごとで御座いますね。お気遣い有難うございます」


「捕まえるのは捕り方の皆さんで、俺じゃあ無い。労う相手は捕り方の皆さんだ。間違えちゃあいけませんや。まとめて縄を打って連れて行くこと自体は大した事ではありやせんが、万が一を考えて、湯守り様の捕り方の皆さんに――」


「万事抜かりなく手配りを致します」


 二人の話を聴いていたお市は、小声で藤次郎に、


「小春さんって御女中さんは、わざわざ知らせてくれたのに、どうして捕まえるの?」


 とやや不満気に訊いた。


「逆恨みされない様に、だよ。皆まとめて捕まえて、誰が訴えたか判らないようにする為だよ。姉さん」


「へえ、守る為に捕まえるのね。何か変な気分になるわね」


 お市は静かに何やら考え込んでいた。

 こんな時のお市は宜しくない。

 極めて宜しくない。又危ないことに首を突っ込むつもりだ。

 母のお福は、お豊と離れたところで真剣に話をしている。

 辰吉は清七他番頭等と、込み入った話をしており、誰もお市へ目配りをしていない。これは全く宜しくないのだ。


「ねえ、藤次郎。此処ではなんだから、お勝手の方でお茶でも飲みながら話さない」


 お市の目の奥にしっかりとした気持ちが浮かんでいる。

 ほら来た。

 例え危ない事があるとしても、獣や人を助けるためなら躊躇などとは無縁の姉である。放っておいても、一人でやる。

 結局の処、何だかんだ言って、手を貸す羽目になることは必定だ。

 

 藤次郎は、黙って立ち上がると勝手口へと二人連れ立って向かった。

 すっかりとお嬢様に化けて、人目を惹く可憐な様子のお市に、男臭さが漂い始め、美男ぶりが上がりつつある藤次郎の取り合わせである。

 もう見慣れた筈の宿の御女中から年配の使用人まで、視線を外せず二人を見送っている。


「あんまり遠くへは行っては駄目よ」


 お福の声がして、その次に、


「無茶なことも辞めておいてくれよ」


 と辰吉の声がした。

 目立つ二人はこっそりというのは向いていないようだ。


「はあい。井戸端で直ぐ戻ります」


 お市はいそいそと藤次郎の肩を押して向かった。


「わんっ」


 お市の姿を見かけて黒丸は一声鳴くと、お行儀よく土間で待っていた。

 人が大好きなこの犬は、此処の宿の皆にすっかり可愛がられて、かなりのご満悦具合である。

 アオはといえば、お市を見ると一声ぶるるっと嘶いた。ここに来てずっと辰吉のお供で忙しく、ほんのり不機嫌である。

 辰吉相手なので態度に現してないだけで、これが藤次郎であれば噛みつかれているところだ。

 藤次郎は黒丸の頭を撫でながら、厳しい言葉尻でお市に言った。


「話を聴いてからどうやるかを決める。内容によってはおっ母さんや辰吉さんに言い付けるからね」


 嫌な物言いにも関わらず、お市は腹を立てる訳でもなく、微笑んだ。

 巻き添えを食うのは真っ平御免だという藤次郎の態度は、自分に対しての心配の裏返しであることを良く承知しているからだ。


「大丈夫よ。危ないことはしない。ただ、墨助を借りたいの。羽根の具合もかなり良くなったみたいだし。いいかしら」


「えっ、流石に飛んだりは、まだ出来ないと思うけど」


「飛べなくてもいいの。手伝って欲しいのはそんな事では無いから」


「一体全体、何をするつもりなんだい」


 不思議そうな顔をする藤次郎に、してやったりとニヤニヤしながらお市が言った。


「鴉はね、鳥の中でもとても賢くて、覚えた人の顔は見分けられるし間違えたりもしないの。だからよ」


 藤次郎は成程といった顔で頷いた。


「墨助は、あの時の侍達を見ている。だからか」

「殊に敵は忘れない。同じように害意を向けて来る相手にもとても敏感よ」


 藤次郎は心配顔でお市を覗き込んだ。


「姉さん、悪者を見つけた後は、どうする。いいや、その前に飛べない墨助をどうやって使うんだい。捕物騒ぎの渦中に飛び込むつもりなら――」


 お市は悪戯な眼をして、藤次郎に言った。


「斬った張ったの処へ、好き好んで行くわけ無いでしょう。羽ばたいて木の枝くらいには泊まれるから、始まる前に近くの樹に張り込んで貰うつもりよ。どう?」


 表情からして、お市にしか出来ない事を、他にも色々と仕込むつもりなのだろう。


「本当にそれだけかい、姉さん」


「捕まえるのは、清七さんが手配した捕り方の皆さんにお任せするし、あたし達は墨助達が見つけた悪者を辰吉さんに報せるだけよ。天地神明に誓って」


 お市は妙に勘が良い。

 この先起こりそうなことを、何やら予見しているのか、嗅ぎとっているのかは判らないが、的を射た鋭さがいつもあるのだ。

 今回も何かを嗅ぎ取ったのだろう。

 こういう時にこそ外さないのがお市だ。

 藤次郎は目を瞑ると、口の中でぼそぼそと孫子の兵法を口にした。


「所謂善く戰う者は、勝ち易きに勝つ者なり、故に善く戰う者の勝つや、智名無く、勇功無し、故に其の戰は勝つこと違わず、其の措く所必ず勝つ也」


 藤次郎が意識を集中し、己を高めるための癖である。

 師匠と仰ぐ大人の一人、五陵の御隠居は大身の武家ではあるが懐が深く、百姓町人等の身分や立場を問わず、見込みのある若者や子供に、私塾を開いて様々な事を仕込んでいる。

 その私塾で秀才である藤次郎は、元々素養もあったのだろう。

 孫子や孔子等の兵法や論語等に夢中になり、藤次郎の基盤とも金科玉条ともいうべきものとなった。

 何時もの如く、目を閉じたまま、ぶつぶつ言い始めた。


「一つは敵を見分け、見つけること。一つは逃げ出した一味が居たら、捕り方の皆様に漏らさず余さず伝えること。此の二点を以て龍眼とす。差配に足りぬものは何ぞ」


 お市が前に尋ねたら、何やら自分の中にいる他の自分と合議し決めるのだそうだ。

 こうなった時の藤次郎は、下手な大人など及びもつかいくらい、考えも判断もしっかりとしている。

 度胸も据わり、何よりも先を見越し、頗る冷静でもあり、とても頼り甲斐がある。

 ううむと藤次郎が頭を捻った後、お市の顔を真っ直ぐに見た。

 真顔の藤次郎に同じく真っ直ぐな目で、お市は返した。


「私たちは只の足手纏い。近くに行けば迷惑をかける。一味が居て見分けられたら、辰じいか清七さんに報せるし、逃げ出したなら後を墨助と同じ山鴉達にお願いして尾けて貰って、辰じいか清七さんへやっぱり報せる。あたしも藤次郎も危ない所には行かない。必ず約束する」


 お市は自分からした約束を決して違えない。


「万が一の仕掛けも必要だしね。墨助と他の鴉が三羽くらい必要だ。それぞれに分けて、表と裏を張らせる。場所も見知っておきたいし、今から行こう」


「よしっ。そうこなくっちゃ。藤次郎、有難う」


 にっこりと辺りを照らす、お日様の様なお市。

 そのお市が、約束を破る時は、自分の為ではない。

 常に誰かを助けるためである。他の人を獣を心配するが余り、約束すら忘れ、自分の事も忘れ、全てを忘れて無茶をする。

 藤次郎はそんな姉に無茶をさせない為に、思考の網を幾重にも掛け、その必要がない様に、先手先手を打つしかない。

 しょうがないなと思いつつ、其の事を良く判っている。

 だからこそ、なのだ。

 この姉と弟は、決して互いを捨て置いたりはしない。

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