第19話 ジャックとまめのき
数年前、ジャックは母親から言われて牝牛を売りに行きました。
しかし、ジャックは、あろうことか途中で会った男が持っていた、豆と牛を交換してしまいました。家に帰るとその稼ぎを期待していた母親が激怒してしまい、交換してきた豆も庭に捨てられてしまいました。
次の朝、その豆はかなり見映えする、巨木へと成長していました。それをみた母親は、巨木観光としてのビジネスに着手しました。
ジャックは何を思ったか、豆の木を登りはじめました。そして、ついに雲の上にある巨人の城にたどりつきました。
母親のビジネス計画もついに大企業へとたどり着きました。
城で出会った巨人の妻はジャックに、夫はアレなので早く逃げるようにと言いました。
しかし、帰ろうとした際に、ちょうど巨人が帰ってきてしまいました。
巨人の妻はジャックを隠すが、巨人はお金の匂いがすると言い出しました。それでもジャックは隠れて続けて、巨人が寝た後、ジャックは、なんと金の卵を産む鶏を見つけました。帰るついでに頂戴して家に戻りました。
持って帰ると、母親のビジネス計画通り周りにホテルが建ち始め、観光地化が進んでいました。金の卵を産む鶏も観光の一つとして展示されることになりました。
そんな事は気にとめず、ジャックは数年後再び、豆の木を登り、巨人の家へ侵入しました。
それを見た母親は、豆の木にチャレンジする息子を描いた作品を書きました。それが奇跡のヒット作品となり、多くの印税を集め、観光地は聖地として崇められるまでになりました。
一方ジャックは巨人の城に侵入し、金と銀の入った袋を頂戴しました。
しかし、欲張ってハープを持っていこうとした時に、ハープから大きな音がしてしまい巨人は起きてしまい見つかってしまいました。巨人は、ものすごい勢いで追いかけてきました。目は「いっちゃってる」レベルをかなり超えたものでした。
急いで地上に戻ったジャックは、あまりの怖さに豆の木を斧で切り倒しました。
豆の木に乗っていた巨人は、落ちて死んでしまいました。しかも巨人は三つ星ホテルの上に落ちてしまい、大きな損害を生んでしまいました。当然、ジャックにはその責任が問われ、多額の損害賠償を払う事になりました。
また、豆の木が無くなった事により、観光ビジネスとしても聖地としても成り立たなくなってしまい、観光地としての価値を無くしたジャックに対して、多額の損害賠償請求訴訟をおこされてしまいました。
また、金の卵を産む鶏に対して国税庁は、鶏ではなくて金等と同じで財産的な価値があると判断し、ペットとしてではなく財産として税金を納めるべきと解釈し、その鶏を取得してからは、税金はかかると言ってきました。また1年間に産んだであろう卵も当然金として申告が必要であるとされました。これにより、所有者のジャックには多額の追徴課税が課されました。
しかし、母親は、成人したジャックの起こした事件であり、母親には一切の責任が無いと認められた判決と、一時的なビジネス計画の成功と、書籍の印税で、幸せに暮らしました。母親は、はなからこの状況を予想していたのでしょうか?今回問題となってしまったものはすべてジャックが所有者になっており、あくまでもそれを観光ビジネスとして利用していた母親には責任は問われませんでした。
殺人犯と多額の負債を抱える事になってしまったジャックは、獄中でその思いを語りました。
それはまた、別の機会で
めでたしめでたし
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます