第16話 きんのおのぎんのおの

 先月、池がある別荘で、40才の男性が薪割りをしておりました。その際に手が滑って池に斧を落としてしまいました。

 池の中にてそれを見ていた目神さんは、池の中から斧を拾ったと言って、右手に銀色の斧と左手に銀の斧を持って現れました。

「あなたが落としたのはこの金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?」

と聞いてきました。

 男は、

「いいえスウェーデン製のブランド物の斧です」

といいました。

 目神さんは、

「正直者ですね。ご褒美にこの金の斧と銀の斧を与えます」

と、いいましたが、お金に困っていなかった男性は、

「そんなの要らないから、俺のブランド物の斧を返せ」

といいました。

しかし、池の中を探しても全然見つかりません。Amazonで探してもメルカリでもヤフオクでも見つかりません。

 結局、スウェーデンまで行くことになり、購入してきましたが、デザインが違うなどど何度も何度も文句を言われましたが、5回目でようやく納得して頂けました。

 疲れ果てた、目神さんは何の使命感か分かりませんが、再び池の中で待つことにしました。

 そしつなある日、別の男性が斧を落として来ました。

 「あなたが落としたのはこの金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?」

「いいえ、スウェー…」

目神さんの渾身の一撃がヒットしました。


めでたし、めでたし

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