第6話 かぐやひめ

 竹林の裏に老夫婦が住んでいました。ある朝竹林の方から光り輝いている竹があるとおじいさんが言うので、二人で見に行ったらそこにはなんと三寸ほどのかわいらしいスマホが引っかかておりました。

 そのスマホを持って帰ると、恐ろしくなるほど良くメールやLINEが鳴り、驚くほど美しい女性のものだという事で、「かぐや姫のスマホ」と名付けました。

 きっと持ち主の美しさは評判で、みな結婚したいと思っている様でした。GPSを頼りにたくさんの人が老夫婦宅周辺をうろつき始めました。

 それを知ったおじいさんは、かぐやひめのGPSをOFFにし、追い払うために「私の言うものを持って来ることが出来た人と結婚がしたい」とメールやLINEを返信し始めました。

 それはそれはどれも世にも珍しい宝で、国際問題に発展しかねないものや、持ち出すことのできない核廃棄物や、熱盛を取ること等が含まれていました。

 中には、逮捕されるものや怪我をする者も現れ、その噂は警視庁にも届いてしましました。かぐや姫は電源OFFにされ、月が反射することも増え、おじいさんにはかぐや姫が泣いている様に見えたとの事です。

 かぐや姫の電源を入れてみると、かぐや姫の持ち主らしき人から

「このスマホはあなたのものではなく私のものであり、15日に返さなければならぬ」

と言うではありませんか。

 それをみたおじいさんはさぞかし悲しみ、警視庁に相談し、警視庁は勇ましい警官を送ることになりました。

 そしてとうとうかぐや姫が帰る日になりました。警視庁へ訪れた、月屋 天人さんに返却され、おじいさんはかぐや姫が月に返却されるのを、警視庁内からただ見送るだけでした。

 おじいさんは今回は、厳重注意にて帰宅されたとの事です。


めでたし、めでたし

 

 

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