第5話 はなさかじいさん
昨年の事ですが、能勢地区の正直(まさなお)爺さんより、愛犬シロが「ここ掘れわんわん」と言ったので自身の土地の端の方を掘ると小判が出てきたとの事です。
時価総額は約7500万円に及び、遺失物として届け出し、持ち主が現れなかったとの事で3か月後に時価総額は約7500万円の小判は正直爺さんに渡され、その後一時所得として確定申告もされ、税金も支払われております。
その話を受け、遺失物の小判を本当に愛犬のシロが見つける事が出来るかと言う疑問を持った、大学教授の四久場 理 教授がシロを借り実験を行ったところ、餌の混じったゴミの方で「ここ掘れわんわん」と言う等、その能力を確認する事が出来ませんでした。
シロを正直爺さんに返却したが、間もなく死んでしまったとの事。正直爺さん曰く、四久場教授から返却された時点で調子が悪く、そのまま死んでしまったとの事。
四久場教授に損害賠償請求をし、精神的苦痛に対する損害賠償の支払いを受けています。また、四久場教授が実験を行った際もすでに調子が悪く、その為能力を発揮できなかったとの主張をされています。
さらに、正直爺さんはシロを埋めてその上に松の苗木を植えるとみるみる育ち、その木を切り臼を作り、その臼で餅をつくと、小判が出てきたとの事です。
時価総額は約2000万円に及び、これも遺失物として届け出し、持ち主が現れなかったとの事で3か月後に小判は正直爺さんに渡され、その後一時所得として確定申告もされ、税金も支払われております。
四久場教授は本件に関しても疑問を持ち、その臼を借り実験を行いました。
実験によると、餅をついたが小判は出てこず、むしろ餅がひどく汚れていた。このことから一度も使った形跡が無いと判断。X線で内部を確認したところ特に変わった仕掛けが無く、塗料等より最近購入されたもののと思われる。また、木自体は樹齢が30年程であり、正直爺さんが主張する一年以内にみるみる育った木である可能性はないとの結果が出ています。
しかし、その臼も正直爺さんに返却後、破損していたとの理由で焼却処理され、さらに四久場教授に臼の弁償代金を請求しており、約20万円の支払いを受けています。
さらに、その燃やした臼の灰で花が咲いたと申しており、先日その様子がテレビで放映され、その謝礼金を正直爺さんは受け取っております。
正直爺さんは、この1年で得た収入は全て上記の理由で得ており、またその申告は全てしており、問題ないと思われます。今回、正直爺さんの1億近い収入に関して取り調べを行うのならば、何らかしらの疑惑が必要となります。
現在、先日の放送に関して、やらせ疑惑があるため、四久場教授監修の元再現実験を行うとの事ですが、一体どうなるんでしょうか?
仮にやらせだとしても、やらせ疑惑での取り調べは厳しいと思いますが、いかがでしょうか?
めでたし、めでたし
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