第4話 神様ごめんなさい

 ゆらゆらと動く光。

 瞼の裏に映るそれをぼんやりと感じていると、何かに遮られるかのように光が無くなった。


「……起きたかの?」


 やや不貞腐れたようにも聞こえる女性の声に、俺は目を開ける。

 そこにはこちらを覗き込むように顔を近づける、金髪の女の子がいた。


「……あ、はい……」


 なかば反射的に返事をすると。

 大きな金色の瞳を不機嫌そうに細めた彼女は、ふん、と鼻を鳴らして顔を引っ込める。


 周囲を確認すると、どうやらここは森の中の開けた広場のようだった。

 柔らかい草が一面に生えていて、ところどころに花も咲いている。


 緑に輝く粉が舞っているところを見るに、ここは雲海の下、なんだろうか。

 

「……あ、あのもしかして……」


 助けてくれたんですか?と聞こうと身体を起こし、俺は驚きに固まる。

 距離が開いたことで、彼女の頭の上に付いているものが見えたからだ。


 そこには金色のふさふさした耳。

 明らかに人のものではない、狐の耳のようなものが付いている。


「じろじろ見おって……まったく人間どもは変態しかおらんのか!」

「あ、いや!すみません!」


 その耳をぴんっと立て、立ち上がって憤る彼女。

 思わず謝りはするが、迫力はほとんど無かった。

 

 というのも耳を除けば、その見た目は色白の可愛らしい少女そのものだったからだ。

 

「せっかく助けてやったというのに、けしからんやつじゃ!」


 謝罪が通じたのかはわからないが、彼女はぶつぶつと文句を言いつつ草原に座る。

 その座り方も女の子座りで、ちょこんとした感じであった。


 見たところ歳下に見えるが、可愛らしい顔立ちにはどこか神秘的な美しさも感じた。

 小柄な体躯に見合わない大きな胸も、彼女の不思議さに拍車をかけている。


「気分はどうなんじゃ?どっか痛かったりせぬか?」

「だ、大丈夫です」


 意識を失う前に聞こえた声は彼女のものだったようで、助けてくれたのは間違いないらしい。

 ほっとしたような表情を浮かべた彼女に、まずはお礼を言うべきだろう。


「あの……ありがとうございます。危ないところを助けてくださって……」

「……ま、まあ、そうじゃな」


 お礼が言えるのはいいことじゃな、とぴこぴこ忙しなく不思議な耳を動かす彼女。

 ……多分、悪い気はしていないんだと思う。

 なんか分かりやすいな……。


 その表情にいくぶんかの笑みも見えたので、一番気になっていることを聞くことにした。


「俺と一緒に、少し大柄な男がいませんでしたか?」


 と、口に出した途端。

 彼女はその可憐な顔を精一杯しかめた。


「……知らん」

「え?」

「……知らんぞ。知りたくもない!」


 どうも彼女の機嫌を損ねてしまったらしい。

 一体どうして……という疑問はすぐに解決した。


「あんな変態嫌いじゃ!ようじょ、ようじょ、と気持ち悪い声をだしおって!」

「あ、ああ……なんかすいません……」


 聞くとあまりに寝言が気持ち悪いから、離れたところに寝かせてきた……ということらしい。

 

「目を覚ましたら、妾に『なんか違う』とか失礼なことぬかしおったんじゃぞ!何が違うんじゃ!業腹ごうはらじゃったからぶっ飛ばして眠らせてきたわ!」

「なんかほんと……ごめんなさい……」


 『寝かせてきた』というのはそういうことだったらしい。

 友人としてとても申し訳ない……。


 見たところ彼女は少女のような姿をしているし、あの変態の好みかと思ったがどうにも少し違ったようだ。

 不思議な耳か……もしくは大きめの胸が気に入らなかったのかもしれない……どちらにしろ最低である。


「……お主はお主で『お姉様』とか連呼しとったぞ。なんじゃ複雑な事情でもあるのかえ?」

「……あ、あはは。まあちょっと込み入った事情が……」


 そんな彼女は不機嫌な表情とは裏腹に、意外と配慮を持ち合わせた人物のようだ。

 ここはそのお気遣いに甘えて……。


「嘘つけ!ただの好みだろうがっ!」


 と、汚い知恵を働かせたことをすぐに暴露したのはタナーだった。

 どうやら二度目の眠りから目覚めてやってきたようだ……。


 ちっ……もう少しで上手く誤魔化せたものを……!


「なんじゃ!?結局お主も変態なのか!」

「い、いえそんなことは……」


 狐耳の少女が再び立ち上がり、後ずさる。


 そんな彼女に、だらしないお姉様を愛し養うのは男性の義務であること。

 それは変態どころか、紳士として当然の教養だと説明したのだが。


「やっぱり変態じゃった!真面目な顔で説明するところが特に気持ち悪いわっ!!」


 残念ながら狐耳の少女が理解を示してくれることは無かった。

 

 


「ははあ……主らそれであんなところにおったのか」


 恩人からの罵倒を甘んじて受け入れた俺達は、ひとまず自分たちが何者なのかを彼女に説明することにした。


 おそらくこの大きな樹の上で暮らしていたこと。

 船が沈没、というか落下したことでここへやって来てしまったこと。


 一通りを話し終えると、狐耳の少女は面倒そうな顔をしつつため息を吐いた。


「それで……君は……?」


 俺達が知りたいことは沢山あるが、まずは彼女が何者なのか、というところだ。

 そもそもどうして助けてくれたのかもまだ聞いていない。


 変態も殴って気絶させるだけで済ませてくれている辺り、邪悪な存在ではないのかな……と思っていたのだが。


「妾はお前たちが言うところの……神じゃな」


「えっ!?」

「はあ!?」


 彼女の返事が想像を超えていたので、俺達は思わず声を上げてしまった。


「い、いやいや。確かにその耳は不思議だとは思うが、神様ってことはないだろ?流石に俺達をからかいすぎたぜ」


 タナーは呆れたように言う。

 人ではない存在には見えるが、さすがに神様ということはないだろう、というのは俺も同じ気持ちだ。

 

 そもそも神様というのは始原樹を作った張本人と言われている。

 姿形は伝わってはいないが、人間が目にすることはできない、とされているのだ。


 それがすべて本当とは言わないまでも、こんなに気軽に話せるとは思えない。

 ましてやこの少女が始原樹を育てた、というふうには考えにくい。


「まあ、普通は信じないじゃろな。妾も信じられるとは思っとらんのじゃが……」


 少女は俺達のそんな反応はお見通しだったらしい。

 おもむろに立ち上がると、俺達から少し距離をとった。


 するとそこで気付く。

 彼女の周りには緑色に輝く粒子がついていくのだ。


 そして。


「!!」

「う、うそだろ……!?」


 彼女はとんっと地面を蹴ると、そのまま宙に浮く。

 羽も何もないのにも関わらず、彼女はそのまま宙空にとどまっている。


「黒いのが増えておるし……ちょうどいい。そこで見ておれ」


 宙から俺達を見下ろすようにした少女は、そう言って右手を前にかざす。

 すると、そこには俺が集めたものとは比べ物にならないほどの緑の光が集まっていくではないか。


「お、おいおい……!!」

「これは……」


 小柄な彼女を容易に飲み込めそうなほど大きくなったそれは、ぎゅっと小石大に圧縮された後。

 彼女が振り上げた掌に従って。



 巨大な光の柱として空に一直線に放たれた。



 不自然なほど静かにその光は宙空へのぼり、その後無数の光の筋へ分裂した。

 そしてそれは、緑に光る雨へと変わる。

 まるで夜空から星々が落ちたかのように、少し離れた場所へ降り注いだ。


「うわあっ!!??」

「ぬおおおおっ!!??」


 光が地上に着地したように見えた後、耳をつんざくほどの轟音と突風、立っていられないほどの地響きが辺りを襲う。

 その衝撃は、成人した男二人があっというまに空へ放り出されるほど。


 そして宙空から地面へたたきつけられる……と思ったが、不思議とゆっくり優しく地面に落ちた。


 いや……これは多分、降ろしてもらったのだ。

 あの、少しの幼ささえ感じる狐耳の少女に。 


 腰が抜けて立てないながらも、そのことを俺達は直感していて。



「妾の名はカグハ。どうじゃ?少しは信じる気になったかの?」


 

 悪戯が成功した時の少女のようにからからと笑う彼女に、俺達は無言でこくこくと何度も頷くのだった。




 壮絶な魔法――多分そうだと思う――を見た衝撃が少し収まってきた頃。

 あまりにとんでもないものを見せられたからだろうか、俺は妙に小さなことが気にかかった。

 神、もしくはそれに匹敵するような存在を前に、今心配するべきでないことなのかも知れないが。


「ノア、大丈夫かな……」


 その言葉に狐耳の少女、正確にはその耳がひくひくっと反応した。


「ぬ、主らの船のことか。ま、大丈夫じゃろ?う、上手く調整もしたし」


 ……。


「わ、妾、神じゃし。運とかも味方じゃしな」


 …………。


「もし当たっとっても、天罰みたいなもんじゃし。二人とも変態じゃし、ちょうど良いじゃろ」

「……神様……?」


 俺が目を向けると、彼女は不自然に視線を動かして一切目を合わせようとしない。

 金色の大きい瞳がくるくると動くのは可愛らしいが……。


「…………うむ、黒曜獣達のついでに当たったな。わらわとしたことがうっかりしておった」


 やや小声のまったく可愛らしくない告白に。


「うおおおおい!!!神様あああああ!!!」

「おまええええ!!!『うっかり』とか『ついで』で天罰下すなああああ!!!」


 二人して罰当たりな発言をしてしまうのであった。


「し、仕方ないじゃろ!普通にやったってどうせ神だと思わんのじゃし!派手でかっこよかったじゃろ!」

「そんな理由でやったんですか!?」

「今まさに神だと思わないことにしたぜ!むしろ邪神じゃねえか!」


 ノアを壊されてしまったということは、雲海の上へ帰る手段が無くなったことを意味する。

 天罰なら仕方ないのかもわからないが、『うっかり』と本人が述べているので納得はいかない。


「失礼な!れっきとした善神じゃぞ!お主らみたいな変態を助けてやったことを忘れるでない!」

「ぐっ……」


 事実を突きつけられ、いきり立っていたタナーもおとなしくなった。

 確かにそのことには感謝している。

 あのままだったら黒曜獣に美味しく食べられてしまっていたのだろうから。


「それにじゃな、妾は怒っておるんじゃ!主らは神への信仰を忘れ過ぎなんじゃ!」


 顔を赤くして怒るカグハ様。


 確かに現在アケル院国では、むしろ神様の存在はどんどんと薄くなっていると言えるだろう。

 

 かつては水が鉱石と合わさると不思議な反応を見せることは、神の為せる技、とされてきた。

 ところがここ数年でそれは神の為せる技ではなく、自然現象であることが解明されてきたのだ。


 その鍵となったのが『イテル』の発見である。

 空気中には薄っすらと、水中には多く含まれるこの物質。

 これがいくつかの特殊な鉱石と反応することで、様々な効果を発生させる原因となっていることが分かったのだ。


 この理論を応用し、『イテル』がより色濃く含まれた水『濃縮イテル水』が開発されたのは20年前くらいだと聞いている。

 その後魔窟近くで産出する、『ラニット』という鉱石と反応させることで、効率よく蒸気を発生させる方法が編み出された。

 イテル蒸気機関はこの蒸気の勢いを利用して、仕掛けを動かしさまざまな動力としたものなのだ。


 こうして神の為せる技が自然現象として解明が進むにつれて、人々の始原樹に対する信仰は確実に薄れていっているのが現状だ。


「特にうちの国はな……」

「うん……昔は色々信仰があったみたいだけど。首都ロドラは教会も随分撤退したみたいだし……」


 貴族も含め、今人々の関心はイテルとそれによって得られる利益や、利便性なのである。

 口に入れるものすら二の次なのだ、神への信仰は言わずもがなである。

 神様本人からすれば到底許せないことかもしれない。


「けしからん話じゃ!……とは思うが、主らにすれば普段の生活のほうが大事じゃしな。楽に暮らせるようになる可能性が見えるのなら、当然そっちに意識が向くのはまあ許そう。……妾もぐーたら好きじゃし」


 しかし意外にもこの神様は寛大であった。

 というより、なんかちょっと俗っぽい発言までしていたような……。


「それにロドラっていうのは、あれじゃろ?アケルの馬鹿でかい木の上にあるんじゃろ?」

「え、ええ。ロドラは始原樹アケルにある街ですが……」

「ならいいのじゃ、妾の管轄かんかつじゃないし。むしろ神を馬鹿にするくらいでちょうどいい……うひひ」


 か、管轄ってどういうことだろう……。


「なんだ?神様ってのはカグハ以外もいるのか?」

「タナーっていうたか。やっぱりお前さんら、妾への敬意なさすぎやせんか?神じゃって言うたじゃろ!」


 けしからん!と憤慨したカグハ様は、左手で縦に宙空を切り裂くようにする。


「わあっ!?」


 あれだけの力を見せつけた少女である。

 タナーも声を上げて頭を防御するように手を上げたが、彼女の狙いはそこではなかったらしい。


「けしからんついでに……これを見るのじゃ!」

「えっ!?」


 カグハ様が切り裂くようにした場所は宙空だったのだが。

 何もなかったはずのそこには袋が開くかのように隙間が現れ、彼女がその縁を引っ張るとその隙間からどさっと大量の何かが落ちた。


「本……?」

「すげえ量だな……」


 少女が宙空に作り出した隙間も驚きだったが、その中から後から後から出てくる本の量も驚きだった。


「……主らの罪を……よ、よく見てみるのじゃ……!」


 大人の胸辺りまで積み上がった本。

 カグハ様の身長は低めなので、彼女にとっては首に届くか届かないかの高さまである。


 なぜか頬を赤らめる少女を不思議に思いながら、俺達はその山に近づいた。

 

「こ、これは……!」

「お、おいおい……!」


 その山を構成する本には見覚えがあった。

 いや、正確にはこの系統のものを手にとった記憶がある……というか。

 年頃の男性――種類によっては女性も――を引きつけてやまないので仕方がない……というか。



――端的に言うと『えっちな本』の山だった。



「ま、まあ神様にも趣味があってもおかしくないですよね」

「そ、そうだな。まさか見せつけられるとはおもわ……」


「ちがーーう!!妙に生易しい目をやめんか!不敬ふけいぞ!!物凄い不敬じゃぞ!!!」


 精一杯気を遣ってみたのだが、どうやらそれは彼女の神経を逆撫でしてしまったらしい。

 では一体どういうことなのか。

 うず高く積まれた『聖書』を前に彼女は頬を紅潮させたまま続ける。


「こ、こういうのを始原樹の樹洞じゅどうに放り込む馬鹿がいるのじゃ!!」


 どうやらこの蔵書達は、彼女の持ち物では無いらしい。

 恥ずかしいのか早口でまくしたてるカグハ様の様子は、まったくもって普通の少女であった。


「フォル、じゅどうってなんだ……?」

「ええと……木に時々ある穴のことだよ。『うろ』って言ったりするやつ」


 木の一部が腐ったり朽ちたりした際に現れる空洞のことだ。

 鳥や小さい動物が住処にすることも多い。


「始原樹にも『うろ』ってあったのか、知らなかったぜ」

「すごく大きいけど樹木だし、考えてみれば『うろ』くらいあってもおかしくないか」


 俺達がなるほどなあ、と頷いているとカグハ様は不思議そうな表情をした。


「なんじゃ?黒曜獣が出ていく穴のことじゃぞ?見つけたことないのか?」

「えっ!?魔窟って始原樹の樹洞だったんですか!?」


 意外な事実に驚くが、そう考えると納得が行くこともある。

 魔窟の中はイテルが濃く、しかも黒曜獣が現れる。

 

 そしてそれは雲海の下と、景色はともかく環境はとても似ているのだ。


 だからこそ、俺もつたないながらも魔法が使えたわけで。


「じゃあ、黒曜獣って始原樹をつたって雲海の下から来てるってことか……!?」

「そうじゃぞ?感謝せい」


 カグハ様はなんてことのない顔で頷いた。

 

 そうか……。

 改めて考えてみれば、魔窟を踏破したなんて話は聞いたことがない。


 それもそのはず。

 キャラバンは魔窟の最深部を目指す団体ではないからである。

 彼らは確かに屈強ではあるが、命知らずで猪突猛進ではないのだ。

 

 そもそも魔窟は入り組んでいて、中は薄暗いことが多い。

 だからこそ基本的には黒曜獣を討伐してイテル濃度が下がったことを確認したら離脱する。


「お主ら樹上じゅじょうの民にとっては、黒曜獣ってのは有益なものなんじゃろ?」


 彼女は不機嫌そうな表情で、俺達の顔を見た。


「そ、そうだな……。あの肉だけは貴族連中もこぞってほしがるし、かなり良い金になる」

「それを目当てに人が来て、街は栄えます。黒曜獣が沢山出る地域のほうが人気なんです」

「そうじゃろう、妾もそのことをよおく知っとる。黒曜獣が主らにとって大事な大事な資源であることはな」


 キャラバンが多く訪れるということは、地域の活性に不可欠。

 その不可欠が無いからこそ、レブレの過疎は深刻なのだ。


「なのに!それを管理して出してやってる妾にこの仕打ち!恩を仇で返すとはこのことじゃ!」


 カグハ様は改めて本の山を睨みつける。


「なんなんじゃ!これは!わ、妾、こ……こんなの興味ないんじゃ!いくら知らないとはいってもじゃな、樹洞はごみ捨て場じゃないんじゃぞ!!いい加減にせんか!!」


 ちらちらと視線が動いているし、金色の耳も忙しなく動いている。

 彼女も興味が無いことは無いんじゃなかろうか……というのはさておき。


 俺はレブレの現在の状況に納得がいった。


 つまりカグハ様はこの始原樹を何らかの形で管理し、雲海の下の環境にも影響を及ぼせる存在なのだ。

 あれだけの魔法を放つことができることからも、彼女の力が人知を超えた領域にあることは間違いない。

 

 そしてそんな彼女を憤慨させたことで。



「妾は怒っとる!!だから、黒曜獣なんて一切だしてやらんことにしたんじゃ!!ちっとは反省せい!!」



 レブレ過疎化の原因がこんなところにあったなんて……。


 もちろん、そんな本を魔窟に投げ込んだ覚えはない。

 しかし。


 俺達は顔を真っ赤にして怒る神様に。

 というより、感受性豊かな頃合いに見える少女に対して。



「その、ほんとに……」

「なんだ、ええと……」



 それをやったのは俺達では無い!と言い返せるほど図太い神経は持ち合わせていなかった。


 これは、とにかく誠心誠意謝るべきだ。

 言葉をかわさずとも気持ちを同じくした俺達は同時に地に膝をつき。


 神様にというより、少女に嫌な気分をさせてしまった大人として謝罪を述べたのであった。



「「ごめんなさい」」

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