第2話 りびんぐ・おなほ

「ふう」


我は現在、賢き者である。



ここはとある高層マンションの最上階の部屋。


ガウン姿でベッドに腰掛け、優雅に葉巻を吹かす。


ベッド横にあるのは最高級なブランディー。

グラスも最高級品。

指で弾くと何とも言えない心地よい音が響いた。


そしてベッドに横たわるのは裸体の最上級の美女。



こう見ると、高層マンションの最上階の部屋に住む金持ちのうらやまけしからん情事後の様に思えるだろうな。



……しかし、裸の美女は手足をベッドに拘束され、猿ぐつわを噛まされた状態であった。

んーとか言いながら、拘束から抜け出そうともがいている。



「なかなか良かったぜ、ベイベー」


オレは先程、コイツを使ってヌいたのだ。

たっぷり中出しもキメてやったぜ。


オレは女が暴れられないように慎重にベッドからの拘束を解きつつ手足を縛り上げ、ひょいとお姫様抱っこのように抱え上げた。

そして、絶景のベランダまで優雅に運ぶ。

いい景色だろ?


「だけどな、もうオマエには飽きた」


オレはそう呟くと、ひょいと女を宙に投げ捨てた。


しばらくすると、パーンという音が響き渡る。

確認はしないが、きっと地面に汚いアートを咲かせていることであろう。


後はこの部屋で一晩寝ている間に、先程の衝撃音を聞きつけたゾンビ共が集まってきてフレッシュな死体を綺麗に掃除してくれることであろう。


え?

強姦に殺人、死体損壊の人でなしだって?


何言ってるんだい? 今のご時世は終末世界で法なんてとっくに過去のものになってるんだぜ?

そうじゃなくてもだ。


ゾンビに人権なんてねえよ(笑)



全く、良い時代になったもんだぜ。

”あの日”以前は社会的底辺かつ中年であるオレなんて女は見向きもしてくれなかった。

最後にSEXしたのなんていつのことやら。

プロだってご無沙汰だ。底辺はカネが無いからな。


それが今は、やりたい放題だ。

ちょっと状態の良いゾンビを生け捕りにして縛り上げれば肉便器の完成である。

ああ、ヤる前に洗浄しないことには臭いは汚いわでおっ立たないから面倒臭いけど、性欲を満たす為なら仕方がないってもんさ。


生存者どもはこいつらのことをゾンビとか呼んでるけど、こいつらは何らかの原因で極度に新陳代謝・痛覚・知能や自我が低下してるだけで、後は普通に人間だからな。

顔色悪いけど。


そりゃ怪我すれば治療を行わない上に新陳代謝が悪く更に不衛生だから患部が腐っていくので最終的にはゾンビみたいな容姿にはなるんだけどな。

ちゃんと飼えば生体オナホ誕生ってワケよ。


どうしてこの世がいきなり死体とゾンビだらけになってしまったかは判らねえけどさ、おそらく今生存してる生存者はもうゾンビになることはない。

もともと耐性みたいなものがあったんだろうさ。ゾンビとヤったらゾンビになっちゃいましたー何てことはないし、オレが身を持って証明してるぜ。


生体オナホって言ったけどさ、オナホらしく性的な反応が無いのはつまんないけどな。

ナニを咥えさせたりもできない。

そのまま喰われちまうからな。はっはっは(笑)


……ぶるぶる。

自分で言っておいて何だが、想像したら玉ヒュンしたぜ。



今日処分した生体オナホ、あれだけ状態の良いゾンビもなかなかいないからもったいないと言えばそうだが、最近ちょとしたミスで右足首の縛り上げてた部分が腐ってきてな。もういいかなーって思って。


まあ今後しばらくは、先日東の商店街で生け捕りした女子中学生のゾンビで楽しむとするわ。

わりーな、ドーテーども(笑)

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