第14話

それで、結局この巳や呑んはそのフィリピーナの彼女?ができたらしい。そして楽しく 付き合っていたらしい。         実は昔、私もやはりホステスとして働いていた事がある。何軒かのお店で働いた経験が あり、中にはフィリピーナや中国人が何人もいる大きなお店にももいた。だから彼女達とも何度も同じテーブルについた経験がある。そして、彼女達とも割と上手くやっていた。                  私は彼女達を基本、嫌いではなかった。嫌っている日本人の女の子達も多くいたり、馬鹿にしているオバサン達もいたが。     彼女達(フィリピーナ)は皆普通、物凄く 接客が上手い。だから、真似をしていたら まず上手くいく!!いつもそう思っていた。私がいつも見てきた事柄はこんなだ。   基本、席に付くと隣の男性客の膝に手を  置く、又は手を握る。これを極当たり前に する。定番だ。そして客は普通、誰も嫌がらない。何かを手を伸ばして取る時にはその客の膝や体に重心をかけて、寄りかかりながら取る。                 座っている間中、腕を絡ませたりしてずっと寄りかかる子もいる。又は指をいじりながら、手が大きいとか指が長いとかのコメントをしたり、小さければ可愛い等と言ったりする。これは本当によく見たが、真似ををしたら会話が進む?!            話題が無くてもしばらくは切り抜けられる。しかも客は(上機嫌で)喜ぶ、又は嫌がらない!!                 胸を触られたりしても基本怒らない。むしろ大きいだろう、だとか自慢したりする。  そして、巳や呑んサンの様に、悪いが女っ気に縁がなさそうだが真面目で,そんなに性格が悪くなさそうな、外見も良くはないが  際立って醜い訳でもなく、太っていない様な男性に、独身かどうかを確認。又は彼女がいるかどうかも。             巳や呑ん的なタイプは自分に興味を持って くれる女の子がいた!、と半信半疑だが  嬉しい。本当の事をペラペラと嬉しそうに 話す。                 外で会おうと言う約束をされて、同伴とか、普通にデートをする。          そして大概1、2回会ってアッと言う間に 肉体関係を結ぶ。もう彼女だ、カップルだ、誰よりも貴方を愛している、好きだ!、と なる。                 今まで彼女歴ゼロだとか、殆どいた事がなくてそれが当たり前、又はいっも振られ役専門な男に、優しくて若く、献身的な彼女ができて人生薔薇色になる…。年も近いか、十歳 かそこら離れた彼女が。(彼女には、恐らく他にも、同じ様な、互いにスペア的な相手が複数いるかもなのだが?!…)       この疑似恋愛には、ある蟻地獄も存在する そうだ。とてもシンプルなトリックで、基本誰でも女なら本当は可能な事だが。    巳や呑んも当然ハマったのだ…。     続く…

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