第11話

結局、私はお金を半分程返されて戻って来た。何か、多く返した理由を言っていたが、よく分からなかった。          だがどうせ、私が神奈川県警とその警察署の署長に出した手紙のせいでだ。どちらかか、又は両方のおかげで私のお金は半分戻って来たのだ。                その後、私は朝夕のどちらかに、この人間達と道で偶然会う様になる。犬を散歩中に、特に、小型犬を噛んだ犬を散歩中にだ。   愛薔薇さんは感じが良い。この犬を撫でたりして喜ぶ。彼は庶務課の人で、小松菜への口の聞き方から、やはり警部だろう。最近は、サッパリ見ないが。           ブルも一応は丁寧に挨拶をする。だが、内心は嫌そうな感じだ。そんな風に思える。(最近は、もう一年経つので私から無視する様になり、だからブルもしなくなった。)    蟹にもよく会う。私を毎回、嫌そうに睨みつけながらすれ違う、又は道路の反対側からジッと嫌悪感たっぷりな顔で見たりする。一年も経つのに!ついにある時、愛薔薇さんに会った時にこの事を言った。本当にしつこいし、嫌になる。とても感じが悪いと。愛薔薇さんも驚いた様だ。こう言った。     「だからさ〜、刑事なんてさー。」     私は次に何を言うのかと思って顔を見た。 「アイツだろ? だから、人間性。人間性の問題なの。分かった、じゃあ注意しておくから。」                  その後、蟹は私を見なくなった。無視して、わざと下を向いたりして顔を合わせない様にする。一度、横断歩道を渡る時に近くにいた。私が少し後ろにいたら、下を見ながら様子を伺い、分からない様に見ていたが。でも何故そこまで気になるのか分からない。余程執念深い、嫌な性格なのと、それに、私の事が相当に嫌いなんだろう。たった一回、あの時に会っただけで。しかもあんな不躾な態度をした癖に。あの態度は、ブルも愛薔薇さんも、言ったら凄く驚いていたから!    そして、小松菜にもよく会う。一寸最近は見ないが、一番多くすれ違ったり、見たりしている。そして一番最初に、あの後会った時は私も少し驚いた。何故なら、ブルと愛薔薇さんが彼に嘘を言ったらしいのだ。     続く…

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