第13話 木陰のガールズトーク

「えーーーーーー!!!!!!!!!!」


7月上旬、涼しげな学校の木陰で、私と楓は話していた。



「李真、やっぱり遥人くんのこと好きだったんだ…。」

「やっぱり…?」

「だって、前に最初は皆で遊ぼうって話してたことあったじゃん?けど、いきなり遥人くんから電話かかってきて、李真と二人で会いたいって言われたからさ…。」

「そうだったんだ…。」

「二人でデートなんて、絶対遥人くん、李真のこと好きじゃん!って思ってたの~!!!」

「それはわからないけど…。バンドしたかっただけかもだし。」

「そうかな~?!」

「てか、楓は今一緒にバンド組んでる人を好きになるなんて…どう思う?」

「は?全然いいでしょ?」

「え?軽いな(笑)」

「だーって関係ないじゃん!好きなもんは好きなんだし!押せ押せ~(笑)」



楓の明るさって好きだな(笑)

なんか悩んでたのが、どうでもよくなっちゃう。



「ただ、橘さん…気になるよね。」

「橘さん?あー、あの人も同じ塾だよ。」

「えっ?そうなの?!」

「うん。何で?」

「いや実は…。」



「李真がなんでボーカルになったかわからないって言われた上に、遥人くんが好きって言われた~?!」

「うん…。」

「ライバル宣言か…。敵もやるなあ!」

「敵って(笑)」

「李真!負けないで!私は応援してるよ!」

「ありがとう…。」

「まあ、桜木くんとの関係も気になるけど、やっぱり私がボーカルになったのがなんでかわからないって言われたのもね…。」

「あ~…。」

「楓もそう思う?」

「えっ?!私は歌はよくわからないけど…。声があんまり聞こえないかな…。」

「やっぱり…。ありがと…。」

「あ、ごめん!」

「いや、よくわかったよ。ただ、それ以来、バンドもちゃんとしなきゃな、って思ったんだ!だから私、恋愛もバンドも両方頑張る!」



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