第2話 レモンの誘惑

待ち合わせはこのお店に14:00。

10分前から待ってるけど、誰も来ない。

もう帰ろうかな。


「ごめん!遅くなった!」

桜木遥人が現れた。

一人かな…、一人だ。


「こんにちは。一人?」

「一人だけど。」

「他のメンバーは?」

「いないよ。」

「いない?なんで?」

「俺が日向(ひなた)と話したかったから。」

「は?」

「他のメンバーには来ないように仕向けた。」

「は~?!」

こいつはなんだ。意味がわからん。


「帰ります。」

「今来たのに?」

「あなたと二人で話すことないし。

まともに話したこともないのに。」

「でも、同じクラスだし、知らない仲じゃないよね?」

「そうだけど…」

「行こう。」

「いや、どこへ?」

「どこか飯食うところ。」

「いや、ちょっと…」

「行くよ!」

ってわけで、桜木遥人と初めてまともに話したのは、まさかの学校ではなく、外だった…。






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