桃とレモンのように

桜琴(さこと)

第1話 桜色の第一印象

大きい目。

華奢な肩。

ブレザーの制服は、幼さの残る彼には、

大人っぽすぎてちょっと似合わない。


…桜木遥人はそんな印象。


この春に東京から九州へ転校してきた。


そして今。中3の夏。

喋る機会もなく、何となく過ごしてたら、

親友の女の子が言ってきた。

「遥人くんが、李真・私・もう一人男子誘って、四人で遊びに行こうって!」

「桜木くん?何で?てか、あんた仲良かったの?」

「いいや~。塾が一緒だから、話すようになってさ。で、李真も一緒に遊びませんか?って。」

「…まあ、いいけど。てか、遥人くんって呼んでるの?」

「あ~。なんか、そう呼んでほしいって言われたからさ。」


…東京もんは信用できん。

そもそも、自分のことを名前で呼ばせる時点でチャラい。

東京もんは皆そうなのか?

さぞ女の子に慣れてるんだろう。

…と言いつつ、別に断る理由もないし。


「まあ、遊びに行ってもいいよ。」

これが、桜木遥人と関わるきっかけになった。



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