反撃開始
「突撃!」
オリヴィアの
上空から火矢を放つイブリータは
「私はただ命令するだけの存在ではない!」
オリヴィアが言い、クリノリンを
「炎の力で螺旋を刻み、捩じれねじれて悪鬼を落とす。私の発明品、『螺旋弾』をくらえ!」
筒を上向きにして発火装置を起動すると、炸薬が爆発し、先端の尖った弾丸を押し出していく。その時、金属製の筒の内側に刻まれた螺旋状の溝によって回転がつけられ、弾をまっすぐ飛ばす力になる。上空にいる女魔王めざしてまっしぐらに。
「なんだこれは!?」
初めてみる物体をじっと見ていたイブリータが、それが恐ろしいものであるとやっと気づいたのは弾丸が彼女の眼球に激突する寸前だった。激しい痛みとともに右の視界が狭まる。叫びをあげて、空を乱舞する。それで痛みがやわらぐわけでもないのに。
「はっ…」
突如、イブリータは飛翔能力を失う。背中に違和感があった。矢が両の翼を貫いていた。一本でも二本でもなく三本。弾丸と違って音はなかった。
「これは!?」
先の大戦でも見たことがある戦法だった。しかし、思い出そうとしてもすぐには思い出せない。女魔王の身体は地面に叩きつけられた。
肉が爆ぜ、血が迸り、蠢き――すぐに再生した。小なりとはいえ魔王なのだから当然である。ダメージはなかった。
「下っ端戦闘員も味な真似をするものだな。さあて、次はどうしてくれるのだ!?」
イブリータは長い爪で手招きする。
同じ頃、ガストンは罠にかかったアンデッドたちを退治する作業に忙殺されていた。
「ゴキブリみたいに掛かりやがって…」
一匹いれば一〇〇匹いる。それは黒くてテラテラ光る昆虫ばかりではなく、スケルトンやゾンビにもあてはまるものだったらしい。
穴を隠してもいない落とし穴にかかっている奴らをオリハルコンの槍の穂先でなで斬りにしていく。
「ソフィア、ちょっと待ってろよ。すぐに行くからな!」
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