第四話 ミミック、真実を知る
「おはようございます、魔王様。体調はいかがですか」
「お食事の準備が出来ておりますわ。どうぞ、食堂へ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『マチルダ』
種族:フォールヴァルキリー SS
HP(生命力):SS
MP(魔力):A
ATK(攻撃力):SS
DEF(防御力):SS
INT(賢さ):A
SPD(俊敏性):SS
固有スキル:【戦姫】【忠誠心】
習得スキル:【全武器装備可】【HP自動回復大】【闇の加護:光属性以外ダメージ軽減大】【修羅:攻撃力・俊敏性アップ大】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ロベリア』
種族:魔女帝 SS
HP(生命力):SS
MP(魔力):SS
ATK(攻撃力):A
DEF(防御力):SS
INT(賢さ):SS
SPD(俊敏性):A
固有スキル:【叡智】【忠誠心】
習得スキル:【全属性使用可】【MP自動回復大】【闇の加護:光属性以外ダメージ軽減大】【魔女:魔力賢さアップ大】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
扉の隙間から覗かせた二人の顔の上に、文字列が浮かび上がって見えた。
なんてこった。
これは、どう考えてもやばすぎる。
「分かった。身支度をしてから向かう」
「身支度でしたら、わたくしが!」
「ロベリア、よせ。では魔王様、お待ちしております」
扉を閉めて、ベッドに腰を落とす。
思わず頭を抱えた。
あの二人のステータスが確認できたのは、おそらく今の俺が、それを可能にするスキルを持っているからだろう。
基本的に、スキル無しでは自分のステータスしか見ることはできない。
マチルダとロベリアは、ミミックの俺からすれば、それはもう、まさにバケモノだった。
ちなみにミミック時代の俺のステータスはこんな感じだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『』
種族:ミミック D
HP(生命力):D
MP(魔力):E
ATK(攻撃力):C
DEF(防御力):D
INT(賢さ):E
SPD(俊敏性):B
固有スキル:【擬態】【逃げ足】
習得スキル:【俊敏性アップ中】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まさに凡庸。
これぞミミック。
でもまあ、なかなか俊敏性が高くていいじゃないか。
はっはっは。
百パーセント、殺される。
やっぱり魔王の側近なんて、ほぼ魔王だ。
俺みたいな雑魚モンスターとは、格が違う。
俺は眉根を寄せて、ゆっくり顔を上げた。
落ち着いたデザインの衣装箪笥。
その横に、丸い掛け鏡があった。
情け無い、気弱そうな表情の俺がいる。
初めて見る、今の自分の顔。
まるで人間だ。
そういえば、人間を見たのは何年ぶりだろう。
その時、鏡の中の俺の顔の上に、ゆっくりと文字列が浮かび上がった。
すっかり忘れていたことが、一つあった。
俺と配合されたのは、魔物の王であり、当然ながら超上級モンスターである、魔王。
そして配合先は、その魔王をも凌駕する最上級モンスター、魔神。
つまり、今の俺。
よく考えれば、そりゃあ、そうだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『』
種族:魔神 SSS
HP(生命力):SSS
MP(魔力):SSS
ATK(攻撃力):SSS
DEF(防御力):SSS
INT(賢さ):SSS
SPD(俊敏性):SSS+
固有スキル:【魔神】【不死身】【魔王の支配】
習得スキル:【魔王の慧眼:ステータス確認】【冷静沈着】【魔王の威光:低級モンスター強制従属】【闇の加護:光属性以外ダメージ軽減】【HP自動回復大】【MP自動回復大】【俊敏性アップ中】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
デタラメに圧倒的なステータスもさることながら、スキルの字面がヤバすぎる。
しかもミミックの俺から【俊敏性アップ中】を引き継いでいる。
俊敏性だけSSSに+がついているのはそのおかげか。
これは微妙に嬉しい。
それに、こんなことになったのにやたら気持ちが落ち着いてるのは、たぶん【冷静沈着】のおかげだな。
ステータスが見えるのは【魔王の慧眼】の効果みたいだ。
しかしこれは、もしかするとなんとかなるのでは……?
あっ。
ミミックの固有スキル、【擬態】と【逃げ足】が……ない!!
固有スキルだから当たり前だった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます