127 鳥飛びて鳴きし蟬の音…… 単語、三句切れ

――――――

  せみ


鳥飛びて 鳴きしせみ やみけるを はかなきこの世 人もさらなり


・とりとびて なきしせみのね やみけるを はかなきこのよ ひともさらなり

――――――――――


[通釈]

 セミを詠んだ歌

 ((眺めていたら、)) 鳥が飛んで、叫ぶように苦しみ鳴くセミの声が、とうとうやんだよ。食われてしまったのだなあ。はかないこの世、人においても今さら言うまでもないよ。


[補註]

・単語…第三句「を」→詠嘆を表す。

・三句切れ。


―――――

鳥飛びて 鳴きしせみ やみけるを はかなきこの世 人もさらなり

―――――――


[推敲]

 第二句の過去の助動詞「し」は、そのまま訳出すると通釈の現代語がぎこちなくなるので、意訳にしました。



(令和元年八月七日)(二〇一九年)(夏歌なつのうた

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