120 ふと蟬ら鳴き出でたるぞ…… 二句切れ

――――――

  夕立にせみといふことを


ふとせみら 鳴きでたるぞ さては雨 軒漏れすれど やみはてぬなり


・ふとせみら なきいでたるぞ さてはあめ のきもれすれど やみはてぬなり

――――――――――


[通釈]

 夕立にセミ、という題で詠んだ歌

 ((部屋で本を読んでいたところ、)) ふと、セミたちの鳴き声が聞こえだした。さては、夕立は、軒漏れの音はするけれども、すっかりやんだようだ。


[補註]

・二句切れ。


―――――

ふとせみら 鳴きでたるぞ さては雨 軒漏れすれど やみはてぬなり

―――――――



(令和元年七月二十一日)(二〇一九年)(夏歌なつのうた

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