036 夏や来ぬ蚊やりの煙…… 文法、初句切れ、三句切れ

――――――

  ありきて蚊取り線香といふことを


夏やぬ 蚊やりのけぶり まがきより て吹く風も 夏の匂いか


・なつやきぬ かやりのけぶり まがきより いてふくかぜも なつのにおいか

――――――――――


[通釈]

 散歩をして、蚊取り線香ということを詠んだ歌

 ((散歩をしていて、物に感じて、)) 今年も夏がやって来たのだなあ。蚊取り線香がどこかの垣根からにおってきた。その煙のにおいを連れて吹く風そのものも、夏の匂いであるよ。


[補註]

・文法…第四句から結句「〜も〜か」→詠嘆を表す。

・初句切れ、三句切れ。


―――――

夏やぬ 蚊やりのけぶり まがきより て吹く風も 夏の匂いか

―――――――



(令和元年五月二十三日)(二〇一九年)(夏歌なつのうた

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