安藤 奏 第1話

俺は今まで恋人というものができたことがない。

俗にいう彼女いない歴=年齢。


まあ、その理由もわかりたくなかったけど、つい最近わかってしまった。


クラスの女子数人が、昼休みの時に、俺の席の隣で、クラスの中で付き合うなら誰、的な話をしていた。

隣だったから嫌でも耳に入ってきてしまった。

「えっ、安藤あんどうくんは?」

「安藤くんは、どっちかっていうと、弟って感じ!彼氏って感じはあんまないなー、」

「あっ、わかるー!可愛いって感じだよねー」

と。


一瞬にして察した。

あっ、原因、これだ。って。


その女子数人の中には俺の好きな人もいた。


あー、俺の青春終わったわ。

来世に期待しよう。うん、そうしよう。








『そうかな?私は別に彼氏、って感じもするけど。』


そう口にしたのは、


俺の好きな人、宇都宮うつのみやさんだった。

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