宇都宮 梓 第1話



「私ね、恋愛対象として見てもらえないの。」



好きな人が出来て、親友のもえに相談した。

萌とは小学校からの仲で部活もずっと一緒で高校に入ってもそれは変わらなかった。




「どうして?」


「私は男子とも女子とも仲良いでしょ?」


「うん」


「だから、男子の中で、私はきっと友達でしかなくて、恋人にはならないんだよ。」


「それはそう思ってるだけだよ。」


「そうなのかな。そうだといいんだけど。」


「っていうかさ、普通に考えてみなよ?友達から恋人になる方が絶対多いでしょ?知らない人にいきなり告白される、なんて方がレアだと思うけど。」


「まぁ、それはそう、だね。」


「まぁ、頑張ってみたら?私は応援してるし、またなんかあったら相談のるから。」


「うん、ありがと。

ちょっと頑張ってみる。」





今までは傷つくのが怖かっただけなのかもしれない。

でも振り向いてもらえないのは、もう嫌だ。


私が、


私自身が、


変わらなきゃ。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る