第2話
最初は村での評判も良かった又八だが日に日に彼の印象は悪くなるばかり。
村の者も彼の女好きには困ったものだと噂するようになった。
或る飲み屋での男二人の話。
「人としてはそこまで悪いやつではないが奴の女好きには呆れるよ。最近じゃ村の女達が苛立ってるのがわかるよ。」
「そうだな。俺なんて店の娘に八つ当たりされたぞ。でもそんなに女好きなら又八にこの村の伝説でも教えてやるか」
「あの洞窟の女の伝説な、でもお前、その女を見たことある奴なんてこれまで聞いたことないぞ。」
「まぁ、伝説だからな。でも又八なら喜んで洞窟に行くんじゃないかな、しばらく村から出ると村の女達も安心だろう」
この村から三日間ほど山を登った所に人が一人やっと這って進めるほどの狭さの洞窟があるそうだ。その洞窟を進んで抜け出たその先にはこの世の誰よりも美しい絶世の美女が何百年間も歳をとらずに誰かを待って一人で暮らしていると言う伝説がある。
男達が又八にこの話を教えてやると
「その人は俺のことを何百年も待っていたのかもしれないな。これ以上またしてはいけないからすぐに行ってくるよ」と言って子供のように駆けだした。
男達は呆れて彼を見ていた。
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