213話 八坂神社
「うーん。もう最高だったな。修学旅行ってこんな素晴らしいものだったとは」
「そんなこと分かりきってたでしょ。私も祐くんとこうして思い出作れてすっごく楽しいよ」
「葵……」
「祐くん……」
「ってこんな場所でキスをねだらない。人前だぞ」
「むぅ! 最初にしよって目線送ったのは祐くんでしょ」
ぽかぽかと可愛らしく俺の胸を叩いてくる。ごめんなさい。そんな目線送ったのは俺でした。
そんなやりとりもありながら最初に来た道を歩いていく。
売店とかを見たりちょっとキーホルダーを買ったり。大きいものを買うと動けなくなってしまうので買い物は控えめにしておいた。
「それでさ次は八坂神社だよね」
「そうだね。次もバス一本で行けるから」
次に行くところは八坂神社。こんなことを言ってはいけないかもしれないが、八坂神社はお参りするだけで次の清水寺がメインだ。
清水寺今改修中なのが残念だが、それでもやっぱり本堂までしっかり見学したい。特にあそこには行っておきたい場所がある。
そしてバスに揺られること30分。八坂神社に到着。
「俺、京都舐めてた」
「私も」
バス停に着いてバスを降りてからすぐに現れる朱色の西桜門。きれいで迫力がある。
でも西楼門が正門じゃなくて南楼門が正門になるらしい。
「写真撮ったしお参りしたら清水寺の方に歩こうか」
「うん」
八坂神社でも地元の神社でも神様にお願いすることは同じ。葵といつまでも一緒にいれますように。
葵が健康でいられたらそれは俺の幸せだから。部活の方は自分たちの力で絶対に全国大会まで行ってやる。
「祐くん、私もお参り終わったよ。清水寺までここから歩くの?」
「そうだな。ちょっと距離あるよ。坂もあるけど大丈夫?」
「もちろん! 日頃のから祐くんの女房役としてしっかり運動してるもんね」
キャッチャーというポジションといつも一緒にいてくれるってことをかけてるんだろう。そう思いたい。
「よーし。じゃあ行こっか。途中の蕎麦屋さんでお昼にしよう」
こうして次は清水寺へと向かっていく俺たちだった。
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