209話 いつもと違う?
「それじゃあね〜祐くん! おやすみなさい。また明日ね」
「うん。おやすみ葵。今日はゆっくりするんだぞ」
そう言って葵は元気よく自分の部屋に戻っていこうと俺の横から一歩足を出す。と、そこからくるっと振り返って俺の方を向いた。
「やっぱり私たちの部屋来る?」
「行きたいのも山々だけどそういうのはダメだから」
「確かに他の女の子にムラムラしちゃうもんね」
「そんなことないからね!?」
なんていうことを言ってくるんだ。葵がこんなこと言うのに今、俺はかなりびっくりしていた。
「なら私ならどう?」
そしてグイッと俺の方に顔を近づける。
「いや、それはさ。そんな……ね?」
そんなの正直に言うわけないし。それよりまじで葵どうしたんだ。こんなこと言うタイプ人じゃないはずなのに。
そう思いながら俺はたぶん顔を真っ赤にしながら。でも一言も話せなかった。
と、そこでしてやったりと言わんばかりに顔をニッコリさせて葵は言った。
「冗談冗談。でもちょっと思ってくれてたのは嬉しい」
「ちょっと待って葵! 俺は今何も言ってないよ!?」
「大丈夫。私は祐くんのことちゃんと分かってるんだから」
それだけ言うと葵はスタスタと自分の部屋に戻っていった。な、なんだったんだ。なんか葵、おかしい。
これが修学旅行効果なのか。
「葵とそういうことね……ってそんな煩悩退散!」
深呼吸を一回して俺も自分の部屋に戻った。
すみません。今回は短めです。
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